メンバーズ・エクスチェンジ

メンバーズ・エクスチェンジ（MEMX）

メンバーズ・エクスチェンジ、通称MEMXは、アメリカ合衆国の証券取引所で、ニュージャージー州ジャージーシティに位置しています。この取引所は、金融市場における競争を促進し、取引コストを削減することを目的として設立されました。

設立の背景

アメリカ国内の取引市場は、数多くの取引所が存在するにもかかわらず、取引の大半が数社の大手取引所に集中しています。具体的には、インターコンチネンタル取引所、NASDAQ、シカゴ・オプション取引所の3つで、1日に行われる株式の売買高の約60％が占められています。この構造によって、取引コストが高止まりしているという問題が浮上しています。利用者は、取引情報やマーケットデータに対して高い利用料金を支払わざるを得なくなっています。

MEMXは、こうした状況を打破するために、取引の簡素化や最新のテクノロジーを導入し、市場参加者が負担する取引手数料や情報提供料の削減を目指しています。特に、簡素化された注文形式を通じて、参加者が直面するコストをより一層軽減することを計画しています。

設立と運営

MEMXは、2019年1月にモルガン・スタンレーやチャールズ・シュワブ、フィデリティ・インベストメンツなどの名だたる企業9社によって設立が発表されました。彼らは、声明の中で「競争の強化、運営の透明性の向上、固定費の削減」を掲げるとともに、他の投資家からの出資も受け入れる意向を示しています。

その後、2020年2月にはJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、ジェーン・ストリート・キャピタルのようなさらに多くの著名な投資機関がMEMXの運営に参加することを発表しました。このことは、MEMXに対する市場の期待感を高め、注目を集める要因となりました。

MEMXは、2020年9月4日に取引を開始し、その運営においては会員制組織としての形態を目指しています。これにより取引所と参加者の利害が一致し、参加者のニーズに応える効率的な取引環境を実現することが可能になります。

への期待

MEMXがもたらす変革により、従来の取引所に対して新たな競争環境が生まれることが期待されています。特に、取引コストの低下や透明性の向上は、市場全体の活性化につながることでしょう。これにより、より多くの投資家が取引に参加しやすくなるとともに、長期的には金融市場の健全性にも寄与することが見込まれています。

このように、MEMXは証券取引所の新しい形として、多くの期待を背負いながら日々運営されています。

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