メンフィス (原子力潜水艦)

USSメンフィス (USS Memphis, SSN-691)

USSメンフィスは、アメリカ海軍に所属するロサンゼルス級の原子力潜水艦で、艦名はテネシー州の都市メンフィスに由来しています。この艦は、カンバーランド級給油艦に続く6隻目の艦名となります。

艦歴

メンフィスは1971年2月4日にバージニア州ニューポート・ニューズの造船所で建造が始まり、1973年6月23日に起工されました。1976年4月3日にはキャシー・ビアード夫人の命名式を経て進水し、1977年12月17日にG・デニス・ヒックス中佐の指揮のもと就役しました。

本艦は1981年3月にパナマ運河を通過して世界周航を完了し、この航海には第6艦隊と第7艦隊での作戦活動も含まれていました。1989年には戦闘対応のまま実験潜水艦に指定され、ロサンゼルス級及びシーウルフ級の新鋭技術を試験する役割を担うこととなりました。

1990年代中頃には、幅広い改修作業を行い、艦体の後部に特に多くの変更が加えられました。これにより排水量は約50トン増加しました。主な改修内容としては、セイル後方に遠隔作業機を収納するファイバー・プラスティック製容器の装備や、実験用のソナー・アレイを牽引するためのウィンチの設置、さらにソナー・トランスデューサー・アレイを収納するための大型容器の取り付けなどが行われました。新型油圧装置や光ファイバーデータバスも導入され、58種類の標準化設備ラックが装備されました。

1994年1月、メンフィスはポーツマス海軍造船所に入り、燃料補給と複合オーバーホールを行い、研究開発任務の支援のための修正作業が始まりました。修正が完了すると、コネチカット州グロトンの第12潜水艦開発部隊に配属されました。1998年には、軽量のプロペラ・シャフトのテストが実施され、ロッキード・マーティン製の海中ユニバーサル・グラビティ・モジュール（UGM）が装着されました。

2005年5月には北極点を二度通過し、11月にニューロンドンに帰還しました。この年、メンフィスはバッテンベルク・カップを受賞しました。2006年5月にはイラク暴動への対応に出向き、8月にニューロンドンに帰還。2007年には再度ポーツマス海軍造船所入りし、2011年4月1日に退役しました。

クルスク陰謀説

2000年8月12日にはオスカー級の原子力潜水艦クルスクがバレンツ海での演習中に沈没する事故が発生しました。この事故について、クルスクはUSSトレドおよびメンフィスの攻撃を受けて沈没したという説があるのです。主張する人々は、クルスクの船体に開いた二つの穴や、事故から三日後にトレドが修理のためにノルウェーの港に入港したことを根拠にしています。

登場作品

メンフィスに関する作品として、ラリー・ボンドの小説『Dangerous Ground』や、ヤン・ギィユーの小説『Madame Terror』があり、後者ではメンフィスの魚雷によりクルスクが撃沈されたと描かれています。

関連項目

• - アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

• - Navsource.org

以上のように、USSメンフィスはその歴史や役割を通じて、アメリカ海軍の重要な一翼を担ってきた艦船です。

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