モガドール級大型駆逐艦

モガドール級大型駆逐艦

モガドール級大型駆逐艦（Contre-Torpilleur de classe Mogador）は、フランス海軍における大型駆逐艦の一群であり、その設計は1930年代の最新技術に基づいています。おおむね、計画された6隻のうち、実際に建造されたのは「モガドール」と「ヴォルタ」の2隻のみでありました。

設計と特徴

この艦級は、1932年度計画に基づいて設計されました。モガドール級は、その前のル・ファンタスク級からのさらなる進化を遂げています。具体的には、火力の向上が図られ、艦砲が開放式の単装砲から密閉式の連装砲塔に変更されました。この変更により、艦の火力は大幅に増強され、より効果的な艦隊戦闘が可能となりました。

また、排水量も増加し、モガドール級は従来の駆逐艦に近い軽巡洋艦に成長しましたが、その一方で高い速度を維持することも重視されました。特に「ヴォルタ」は、公試において43ノットに達するなど、抜群の速力を誇っていました。

戦歴

モガドール級は第二次世界大戦中に使用され、数少ない戦歴を持ちます。特に、メルセルケビール海戦に参加した点が挙げられますが、それ以外の戦闘では特筆すべき成果はあげていません。戦争のさなか、1942年11月27日にトゥーロンで自沈し、艦隊はその役目を終えました。これにより、モガドール級は戦闘艦艇としての短い歴史に幕を閉じます。

同型艦

モガドール級は原則として1938年度計画に基づいていたものの、第二次世界大戦の勃発に伴い、追加艦の建造はキャンセルされました。そのため、実際にはこの級に属する艦船は「モガドール」と「ヴォルタ」の2隻に限られました。

終わりに

モガドール級大型駆逐艦は、そのテクノロジーと設計の革新性により、当時の海軍艦艇の新基準を示す存在でした。しかし、戦闘における功績が限定的であったため、後世の海軍史においてはあまり目立つことはありませんでした。現代においても、その設計理念や火力の進化は、他国の艦艇設計に影響を与えたことでしょう。

参考文献としては、海人社の「世界の艦船増刊第17集　第2次大戦のフランス軍艦」などの書籍が挙げられ、この艦級の詳細についてさらに知識を深める手助けとなるでしょう。また、関連項目としてフランス海軍艦艇一覧も参照されることをお勧めします。

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