モザンビーク内戦

モザンビーク内戦の概要

モザンビーク内戦は、1977年から1992年にかけて、モザンビーク共和国で発生しました。この戦争は、ポルトガルからの独立を果たした新興政府 FRELIMO（モザンビーク解放戦線）と、反政府勢力であるRENAMO（モザンビーク国民抵抗運動）との間で繰り広げられました。両者の対立は、単なる内政の争いに留まらず、冷戦構造の影響下における国際的な利害対立も絡んでいました。

紛争の背景

内戦の発端は1974年にさかのぼります。この年、ローデシアのイアン・スミス政権の以下、MNR（モザンビーク国民革命運動）は、南アフリカとローデシアの支援を受けて設立されました。モザンビークは1975年の独立戦争を経て独立を果たしたものの、独立した政府 FRELIMOに対して反発が強まる中、民族間の対立が浮き彫りになりました。FRELIMOは共産主義思想を持つ政権であり、これに対抗する形で南アフリカやローデシアは反共産主義的な勢力を支援しました。特に、MNRが群集動員に苦しんだためか、彼らは非戦闘員を誘拐し兵力を確保する無理な手段に訴えました。

国際的な支援

FRELIMOは、南アフリカのアフリカ民族会議およびソ連、キューバから武器供給を受け、一方のRENAMOは南アフリカ政府の援助を受けました。これらの資源は、両者の戦闘を激化させ、肉体的・精神的な影響を国民に与えました。1984年に結ばれたンコマチ協定では、モザンビークと南アフリカの間で不可侵条約が結ばれ、これにより支援が中断されたかに思われましたが、実際には、裏での支援は継続されていたとされています。

終結に向けた動き

冷戦が終結すると、FRELIMOはソビエト連邦の支持を失い、RENAMOもアパルトヘイトの崩壊によって南アフリカの支援を失いました。そのため、両者は和平交渉を行うようになります。1992年にはローマでモザンビーク包括和平協定が調印され、形式上内戦は終結しました。これにより、RENAMOは政治勢力として認められ、議会に50議席を確保することとなりました。

和平後の状況

内戦によって多くの国民が苦しんだものの、その後も軍事的対立は続きました。しかし、水面下での和平交渉が続き、2019年には再度和平協定が結ばれました。これにより、長期にわたる軍事的緊張が解消され、RENAMOの武装勢力も武装解除されました。

影響と課題

この内戦の影響で、モザンビークでは国民の約3分の1が難民となり、隣国へ避難せざるを得ない状況が続きました。また、内戦の過程で広範囲にわたって地雷が埋設されたため、現在も地雷による問題が深刻化しています。モザンビークは1999年に対人地雷禁止条約、通称オタワ条約に調印し、問題解決に向けた努力を続けています。

このように、モザンビーク内戦は単なる軍事衝突に留まらず、国際的な geopoliticsや人権問題、難民問題と密接に関与していることを理解する必要があります。

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