モジャーヘディーネ・ハルグ

モジャーヘディーネ・ハルグ（PMOI）について

モジャーヘディーネ・ハルグ（PMOI）は、イランの反体制武装組織であり、Official名は「イラン人民ムジャヒディン」です。イスラム社会主義を掲げ、現政権と対立しており、しばしばテロ組織と見なされています。日本ではムジャヒディン・ハルクやイスラム人民戦士機構などと呼ばれることもあります。また、イランの公式メディアでは「モナーフェギン」という名称が使われています。この組織は1965年、当時の親米派皇帝モハンマド・レザー・パフラヴィーの独裁的な統治と資本主義に対抗する目的で結成されました。

組織の背景とイデオロギー

モジャーヘディーネ・ハルグは、イランのシーア派教義とマルクス主義を融合させた独自のイデオロギーに基づいており、反米的な立場を取ることで知られています。結成当初は国内での武装闘争を通じて多くの支持を集めていましたが、1979年のイラン革命では重要な役割を果たしつつも、その後現政権への反発を強めていきました。特に、初代大統領バニーサドルの国外脱出を支援し、それによりホメイニー率いるイスラム共和制に対立する姿勢を鮮明にしました。

その後、モジャーヘディーネ・ハルグは、1980年代にフセイン政権の下でイラク側に立ってイラン・イラク戦争に参加しました。この行動は、イラン国内で彼らを「売国奴」として非難する原因となりました。戦争の中で、多くの武装兵を抱え、イラクのキャンプ・アシュラーフを拠点に活動を展開していましたが、2003年のイラク戦争によってこの拠点を失いました。

現在の活動

2003年以降、モジャーヘディーネ・ハルグは公然とした武力闘争を行っていません。その代わりに、彼らは政治活動やロビー活動にシフトしています。2009年にはEUのテロ組織リストから除外され、2012年にはアメリカでもその指定が解除されました。しかし、カナダ、イラク、イランではいまだにテロ組織として認識されており、特にイラン国内では厳しい批判にさらされています。ここでは、組織のメンバーは「偽善者たち」として蔑称で呼ばれることが一般的です。

指導者と組織構造

モジャーヘディーネ・ハルグの事実上の最高指導者であるマスウード・ラジャヴィーは2003年以降公の場に姿を現さず、その所在は不明です。一方、妻であるマルヤム・ラジャヴィーは現在、組織の顔として活動しており、フランス・パリを拠点に欧米でのロビー活動を行っています。彼女は、イランの民主化や女性の地位向上を求める活動を推進しています。

イラン国民抵抗評議会

政治的な部門として「イラン国民抵抗評議会（NCRI）」を組織し、主にイランの民主化、社会主義化、イスラム共和制の打倒を目指す活動を展開しています。彼らは世俗主義や女性の地位向上にも焦点を当てています。

結論

モジャーヘディーネ・ハルグは、イラン国内外でその活動と立場についてさまざまな意見が交わされています。その歴史と発展は、イラン現代史における重要な一側面を形成しており、今後のイラン情勢においてもその動向から目が離せません。

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