モデナ・291

モデナ・291： ランボルギーニの影と挑戦

1991年のF1世界選手権。モデナ・チームSpAは、マウロ・フォルギエリが設計したフォーミュラ1マシン、モデナ291で参戦しました。ドライバーはニコラ・ラリーニとエリック・ヴァン・デ・ポール。このマシンは、モデナ291以外にも、ランボ291、ランボルギーニ291、モデナ・ランボ291など、複数の呼び名で知られています。

開発： ランボルギーニとの複雑な関係

1989年からF1エンジン供給を開始したランボルギーニは、ラルースやロータスにエンジンを提供していました。そして1991年、グラスチームへのシャシー供給とF1への参戦を決定しました。グラスチームはメキシコ人実業家が設立したチームでしたが、投資撤退と実業家の失踪により、倒産の危機に瀕していました。

ランボルギーニはチームをイタリア・モデナに移転させ、支援を開始。モデナ・チームは事実上ランボルギーニのファクトリーチームと見なされましたが、ランボルギーニはブランドイメージへの悪影響を懸念し、チーム名を「ランボルギーニ」にすることを避けました。初期の支援の後、モデナ・チームはランボルギーニから完全に独立し、その後は資金援助を受けませんでした。

フォルギエリは1990年末までにモデナ291を開発。1990年7月2日、イモラ・サーキットでマウロ・バルディが初走行を行いました。特徴的な三角形のサイドポッドに斜めに配置されたラジエーター、そして独特のダークブルーのカラーリングが注目を集めました。

しかし、その後チームに加わったナイジェル・コパースウェイトは、このサイドポッド形状の性能への寄与を否定。一般的な箱形サイドポッドに改修したマシンを製作しましたが、性能向上は見られず、レース投入されることはありませんでした。

レース戦績： 序盤の活躍と苦戦

モデナ291のデビュー戦はアメリカグランプリでした。ラリーニは予選17位から決勝7位でフィニッシュ。優勝したアイルトン・セナのマクラーレンから5周遅れましたが、健闘を見せました。サンマリノグランプリでは、ヴァン・デ・ポールがファイナルラップまで5位を走行するも、燃料圧の問題で9位に順位を落としました。

序盤戦の活躍により、シーズン後半は予備予選免除となりましたが、その後は成績が低迷。ラリーニが5回、ヴァン・デ・ポールが1回のみ決勝進出を果たすにとどまりました。モデナ291は、F1の歴史において、ランボルギーニのF1への関与と、小さなチームの大きな挑戦を象徴する一台として記憶されています。その独特のデザインと、惜しくも結果に結びつかなかった開発努力は、F1ファンの記憶に深く刻まれています。 モデナ291は、F1における技術革新と、チームの努力、そしてブランド戦略の複雑さを物語る、興味深い存在と言えるでしょう。

F1における全成績

(key) （太字はポールポジション）

※詳細なレース結果については、専門サイト等をご参照ください。

参照

Lamborghini 291 @ Stats F1
Lambo 291 @ F1Technical

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