トミー・リー

トミー・リー：華麗なる人生とパワフルなドラムサウンド

トミー・リー（本名：トーマス・リー・バス、1962年10月3日生まれ）は、世界的に有名なヘヴィメタルバンド、モトリー・クルーのオリジナルメンバーであり、そのパワフルなドラムプレイで知られるドラマーです。ギリシャ・アテネで、元ミス・ギリシャの母とアメリカ人軍人の父との間に生まれ、幼少期をカリフォルニアで過ごしました。4歳でドラムを始め、父親のマーチングバンドでの演奏に触れたことが、彼の音楽への道を決定づけたと言えるでしょう。

高校時代にはマーチングバンドに参加していましたが、音楽への情熱を強く抱き、高校を中退。その後、いくつかのバンドを経て、1970年代後半には「Suite 19」というバンドで活動を始めます。このバンドで出会ったのが、後にモトリー・クルーを共に築くことになるニッキー・シックスでした。ニッキーは、トミーのドラムプレイに強い感銘を受け、共にバンド結成を目指します。

ニッキー・シックスは、当時メタルシーンで注目を集めていたミック・マーズをギタリストとして迎え入れ、さらに高校時代のトミーの友人であり、ロック・キャンディで活躍していたヴィンス・ニールをボーカリストとして招き入れました。こうして、1981年、伝説的なヘヴィメタルバンド、モトリー・クルーが結成されました。

モトリー・クルーでのトミー・リーのプレイスタイルは、非常にパワフルかつダイナミックで、後の多くのドラマーに大きな影響を与えました。特に、アルバム『ガールズ、ガールズ、ガールズ』収録の「Wild Side」における、ドラムセットごと回転するパフォーマンスは、彼の象徴的なパフォーマンスとして今も語り継がれています。

使用機材においても、彼は常に進化を遂げてきました。初期にはパール社のドラムとパイステのシンバルを使用していましたが、その後、DW社製のドラムに切り替え、シンバルもジルジャンへと変更。ドラムスティックは、ナイロンチップのものを愛用し、現在は金属バットメーカーであるイーストン・アヘッド製のシグネチャーモデルを使用しています。また、カウベルなどのパーカッションも積極的に使用し、独特のサウンドを作り出しています。

1999年、私生活での問題から逮捕され、刑務所生活を送ることになります。その際、モトリー・クルーを脱退を発表。脱退後は、ラップメタルバンドのメソッズ・オブ・メイヘムを結成するなど、ソロ活動や様々なプロジェクトに参加しました。大学入学や映画出演など、音楽活動以外でも精力的に活動していました。

モトリー・クルー脱退後も、バンドとの関係は完全に断絶したわけではありませんでした。2001年にはバンドの自叙伝『The Dirt』への参加に同意し、2004年にはモトリー・クルーに復帰を果たします。2005年には自叙伝『Tommyland』を発表するなど、その多才ぶりを発揮し続けています。

近年も、モトリー・クルーでの活動に加え、ソロ活動や他のアーティストとのコラボレーションなど、精力的に音楽活動を続けています。彼の情熱と才能は、これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。そのパワフルなドラムサウンドと、波乱に満ちた人生は、これからも語り継がれる伝説となるに違いありません。

ディスコグラフィ

ソロアルバム

`Never a Dull Moment` (2002年)
`Tommyland: The Ride` (2005年)
`Andro` (2020年)

モトリー・クルー

`Too Fast For Love` (1981年)
`Shout At The Devil` (1983年)
`Theatre Of Pain` (1985年)
`Girls, Girls, Girls` (1987年)
`Dr. Feelgood` (1989年)
`Mötley Crüe` (1994年)
`Generation Swine` (1997年)
`Saints Of Los Angeles` (2008年)

メソッズ・オブ・メイヘム

`Methods of Mayhem` (1999年)
* `A Public Disservice Announcement` (2010年)

その他多数の参加作品

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