ヴィンス・ニール

ヴィンス・ニール：ロックンロール・アウトローの肖像

ヴィンス・ニール（Vince Neil）は、1980年代のLAメタルシーンを牽引したモトリー・クルーのボーカリストとして、その名を世界に轟かせた人物です。1961年2月8日、カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれた彼は、身長174cm。そのパワフルな歌声とカリスマ性で、モトリー・クルーのイメージを決定づけました。

モトリー・クルーでの活躍とソロ活動

1981年、モトリー・クルーの初代ボーカリストとしてデビュー。バンドは瞬く間に成功を収め、数々のヒット曲を連発しました。しかし、1991年にベスト・アルバム『デケイド・オブ・デカダンス』を最後に、ニールはバンドを脱退。1992年には、映画『原始のマン』に楽曲を提供し、ソロ・デビューを果たします。2枚のソロ・アルバムを発表した後、1997年にモトリー・クルーに復帰。以降もバンドとソロ活動を並行して行っています。

破天荒な生き様と伝説

ニールはその音楽性だけでなく、破天荒な生き様でも知られています。過去には数々のトラブルを起こし、バンドをクビになったこともありました。しかし、その独特の声質とパフォーマンスは、モトリー・クルーに欠かせない要素であり、何度でもバンドに復帰しています。ライブでの伝説的なパフォーマンスは数知れず、彼の存在はロックシーンにおいて特別なものとなっています。

音楽以外の活動

ニールは音楽活動だけでなく、ビジネスにも積極的に取り組んでいます。クラブ経営やタトゥー・ショップ経営など、多岐にわたる事業を手がけ、2010年3月には近距離航空会社「Vince Neil Aviation」社を設立しました。

悲劇と慈善活動

1984年、飲酒運転による交通事故でハノイ・ロックスのドラマー、ラズルが死亡。ニール自身も重傷を負い、裁判で有罪判決を受けました。この悲劇は彼の人生に大きな影を落としましたが、その後、愛娘スカイラーを病気で亡くしたことをきっかけに、「スカイラー・ニール基金」を設立し、闘病中の子供たちを支援する活動を始めました。劣悪な病院環境を目の当たりにしたことが、慈善活動を始めるきっかけになったと語っています。

スティーヴ・スティーヴンスとの出会いと確執

ラズルの死後、ハノイ・ロックスは解散。ボーカリストのマイケル・モンローは、ギタリストのスティーヴ・スティーヴンスと新バンドを結成しました。一方、モトリー・クルーを脱退しソロとなったニールは、スティーヴンスをパートナーとして迎え入れようとします。その結果、スティーヴンスはモンローとのバンドを脱退しニールと合流。この出来事は、モンロー及びハノイ・ロックスのファンからニールが嫌われる一因となりました。

その他のエピソード

1989年、MTVミュージック・アワード授賞式でイジー・ストラドリンを殴り、アクセル・ローズとの間で騒動に発展。
MTVの番組で自身のラブドールを公開し、話題に。
レーシングドライバーを目指していたが、資金難で断念。
ポルノ女優とのプライベート・ビデオが流出。
2021年、ステージから落下し肋骨を骨折。

ヴィンス・ニールは、その才能と破天荒な生き様で、常に注目を集める存在です。数々の困難を乗り越え、音楽活動を続ける彼の姿は、多くのファンに勇気を与えています。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『エクスポーズド』 - Exposed (1993年)
『カーヴド・イン・ストーン』 - Carved in Stone (1995年)
『タトゥーズ&テキーラ』 - Tattoos & Tequila (2010年)

ライブ・アルバム

Live at the Whisky: One Night Only (2003年)

モトリー・クルー

『華麗なる激情』 - Too Fast for Love (1981年)
『シャウト・アット・ザ・デヴィル』 - Shout at the Devil (1983年)
『シアター・オブ・ペイン』 - Theatre of Pain (1985年)
『ガールズ、ガールズ、ガールズ』 - Girls, Girls, Girls (1987年)
『ドクター・フィールグッド』 - Dr. Feelgood (1989年)
『ジェネレーション・スワイン』 - Generation Swine (1997年)
『ニュー・タトゥー』 - New Tattoo (2000年)
* 『セインツ・オブ・ロスアンゼルス』 - Saints of Los Angeles (2008年)

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