モノトーンミュージアムRPG

概要

『モノトーンミュージアムRPG』は、2011年にエンターブレインからリリースされたダークファンタジー風のテーブルトークRPGです。著者はすがのたすくで、基盤となるシステムにはスタンダードRPGシステム（SRS）が採用されています。このゲームでは、色彩豊かな絵本の世界観とダークなストーリー展開が融合し、プレイヤーに独自の体験を提供します。

世界観

このゲームの舞台は、「左の地」と呼ばれる虚構のファンタジー世界。この世界では、力強い物語「御標（みしるべ）」が神によって語られ、その物語に沿って人々が暮らしています。御標は本来、人に幸せをもたらすものでありますが、異形と呼ばれる魔人たちによって悲劇的に変えられることもあり、プレイヤーキャラクターたちはそれを正す目的を持っています。

「アイロニックメルヘンRPG」というカテゴリーに属する本作は、見た目には美好な世界に潜む残酷で陰鬱な側面を探求します。プレイヤーは、世界の理が歪むことによって引き起こされる様々な災厄と対峙し、歪められた物語を修正するための旅に出るのです。

発売までの経緯

本作のルーツは、すがのたすくが学生時代に友人たちと落書きしながら思いついた物語です。歌えない声を奪われた者たちの物語は、静かで淡々と描かれる一方で、色のない世界観が『モノトーンミュージアム』という名に至りました。2007年、彼は新興企画「すがのたすくのSRSに挑戦」を目にし、自らの物語を元にしたゲーム化のアイデアを提案。これが『モノトーンミュージアムSRS』として完成され、無料で公開されることとなります。

その後、すがのたすくが出版社にプレゼンを行った結果、2011年に『モノトーンミュージアムRPG』としてエンターブレインから正式に発売されます。製品版は、無料公開版から大幅な改良が加えられており、基幹システムが確立されています。

システム

本作では、スタンダードRPGシステム（SRS）が基盤となり、キャラクターの作成や行為判定にこのルールを適用しています。プレイヤーは、キャラクタークラスを3つ選択し、その特性やレベルを組み合わせることで独自のキャラクターを作成します。また、特技ポイントを活用して能力を強化する要素が盛り込まれています。

行為判定は、2d6を使用して行われます。判定における成功や失敗を場合分けしたクリティカルやファンブルのシステムも、ゲームの緊張感を高めています。

シナリオはシーン制を採用し、オープニングやクライマックスなどの段階を通して進行します。また、ゲーム内に登場する「歪み表」は、物語の進行に影響を与える要素であり、プレイヤーは状況に応じて結果を引き受けたり、キャンセルしたりすることが求められます。

剥離値と異形化

本作の特色の一つが「剥離値」です。キャラクターが世界の理からの逸脱を表し、剥離値が上昇することで、いずれ異形化へと繋がります。剥離値は、プレイヤーの行動によって変動し、世界との関わりを示します。剥離値が10を超えると、キャラクターは異形となり、以降はNPC扱いに。プレイヤーは、剥離値を下げるための挑戦を行うことができます。

世界設定と異形

このファンタジー世界は、様々な種族と文化が入り混じり、特に人間が主導権を持っています。大河「柔らかな水」によって左右に分かれ、各国はユニークな文化や技術を持ちながらそれぞれ影響し合っています。この背景には、異形の存在が常に付随しており、ゲームの進行において重要な役割を果たしています。

異形とは、御標に背いた結果、変わり果てた者たちを指します。彼らは物語の歪みに寄生し、プレイヤーキャラクターたちの敵として立ちはだかる存在であり、物語の深淵に潜む根源的危機を象徴しています。

結論

『モノトーンミュージアムRPG』は、独特の世界観と緻密なシステムによって、多様なプレイ体験を提供します。ダークファンタジーの要素を取り入れた中で、プレイヤーに深いつながりを持った物語を体験させることが目標です。全ての要素が緊密に絡み合い、ゲームでの選択が物語の進行に深く影響を与えるため、一度足を踏み入れれば、そこから展開される物語に引き込まれることでしょう。

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