モノボケ

モノボケとは

モノボケとは、お笑いにおける表現方法の一つで、小道具を使い、その小道具を何かに見立てたり、小道具に関連するダジャレを言ったりすることで、観客の笑いを誘う即興的な芸です。モノマネのように、小道具をあるものに見立てて表現することで、その意外性やユーモラスな表現で笑いを生み出します。

概要

モノボケは、主にお笑い芸人が演じるもので、短時間で笑いを取ることを目的としています。たとえば、お玉杓子を目に当てて視力検査に見立てたり、身近なものを意外なものに見立てたりするなどの手法が用いられます。この短時間で笑いを引き出す性質から、一発ギャグの一種とも言えます。

小道具を用いた笑いの形式は、古くから落語の世界にも存在していました。落語家が扇子や手拭いを箸や手紙などに見立てて演じるのは、モノボケの原点とも言えるでしょう。テレビのバラエティ番組では、田代まさしが小道具を使ったギャグを得意としていました。また、『内村プロデュース』（テレビ朝日）では、小道具ギャグを競う企画も放送されていましたが、当時は「モノボケ」という名称は使われていませんでした。この番組内では、小道具ギャグの対決企画は「ダジャレ&一発芸バトル」と称されており、内村光良（ウッチャンナンチャン）が出演者に「（小道具を）選んで！それに絡めて答えて！」などと声をかけていました。

2005年から放送された『ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円』（TBSテレビ）において、出演芸人が挑戦するネタのジャンルのひとつとして「モノボケ」が採用され、この番組以降、バラエティ番組で小道具を使ったギャグに対して「モノボケ」という名称が広く使われるようになりました。これにより、モノボケは一ジャンルとして確立され、多くのお笑い番組で取り入れられるようになりました。

モノボケの表現方法

モノボケの表現方法は多岐に渡りますが、主なものとしては、以下の様なものが挙げられます。

見立て: 小道具を別のものに見立てて表現する。
ダジャレ: 小道具の名前や特徴を使ったダジャレを言う。
擬音: 小道具を使うことで、面白い擬音を表現する。
アクション: 小道具を使った面白い動きをする。
ストーリー: 小道具を使った短い物語を演じる。

これらの表現方法を組み合わせて、観客を笑わせるのがモノボケの醍醐味と言えるでしょう。また、モノボケの面白いポイントは、予想外の発想や、シュールな世界観を作り出すところにあります。

関連番組

モノボケは、多くのお笑い番組で人気のコーナーとして取り上げられています。以下に代表的な番組を紹介します。

爆笑レッドシアター（フジテレビ）: 出演芸人がモノボケを競う「杉下ウッ京の事件簿」というコーナーがありました。
有吉の壁（日本テレビ）: 『内村プロデュース』と同じく、モノボケで笑わせる企画が放送されています。この番組では、芸人たちが街中や様々な場所で即興でモノボケを披露します。
千原ジュニアの座王（関西テレビ）: 出演芸人が対決するお題のひとつに「モノボケ」があります。この番組では、芸人たちが与えられたお題に対して、その場で即興でモノボケを披露します。

これらの番組以外にも、多くのバラエティ番組でモノボケが取り入れられ、人気を博しています。

関連事項

一発ギャグ: モノボケは、短時間で笑いを取るという点で一発ギャグの一種とも言えます。
バトルオワライヤル: バッファロー吾郎がプロデュースする、モノボケで構成されるお笑いイベントがあります。モノボケに特化したイベントは珍しく、その斬新な内容が注目を集めています。

モノボケは、その場で瞬時に発想し、観客を笑わせる即興性が求められるため、芸人の力量が試される芸でもあります。これからも様々な番組やイベントで、モノボケは進化を続け、新たな笑いを生み出していくでしょう。

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