モレーン湖

モレーン湖の魅力

モレーン湖（モレーンこ）は、カナダ・アルバータ州に位置し、美しい氷河湖として知られています。レイク・ルイーズ近郊の標高1,884メートルにあり、バンフ国立公園内に位置するこの湖は、面積0.5平方キロメートルの広さを誇ります。湖の背景には、かつて20カナダドルの紙幣にも描かれた「テンピークス」と呼ばれる10の壮大な山々がそびえています。

この湖は、周囲の氷河が雪解け時に流れ出す水によって形成されていますが、湖水が満水になるのは通常6月下旬までのことです。夏になると、モレーン湖はその鮮やかなターコイズブルーの色合いで多くの観光客を魅了します。この美しい水の色は、氷河が削り取った微細な土砂が浮遊し、光が屈折することによって生じるものだと考えられています。

以前は、湖の近くまで自家用車で訪れることが一般的でしたが、駐車場の収容能力が限られていたため、渋滞が発生しやすい状況でした。そのため、2023年シーズンからは、上高地のようなマイカー規制が導入され、観光客はルイーズ湖の駐車場などからシャトルバスを利用することとなりました。これにより、湖周辺の環境保護も促進されています。

モレーン湖の周辺には、ハイキングや散策を楽しめるトレイルが数多く整備されていますが、グリズリーベアが出現することが多いため、トレイルはしばしば閉鎖されることがあります。熊との遭遇を避け、その生態を保護するためには、グループでのハイキングが推奨されています。

特に初心者向けの遊歩道として人気なのが「ロックパイルトレイル」です。このトレイルは総延長300メートル、高低差もわずか24メートルなので、気軽に散策を楽しむことができます。ロックパイルトレイルの終点は、カナダでも有数の写真撮影スポットとなっており、多くの観光客が素晴らしい風景をシャッターで切っています。

ロックパイルトレイルと同じ起点からは「コンソレーション・レイクトレイル」が分岐しています。このトレイルは総延長2キロメートル、高低差90メートルがあり、トレイルの終点からはモレーン湖の奥まった部分の美しい景色を見ることができます。ただし、道無き道を進んだり、大きな岩をよじ登ったりする必要があり、ある程度の体力が要求されます。

また、湖の正面にはロッジがあり、湖畔にはカヌー用の桟橋があります。この桟橋は、別のトレイルの始点でもあり、分岐後には4つの異なるトレイルが展開されていて、訪れる人々に多様な体験を提供しています。

モレーン湖は、その美しい自然環境とさまざまなアクティビティが融合した、訪れる価値のある場所です。旅を通じて、このユニークな湖の魅力を存分に味わってみることをお勧めします。

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