モンゴル国の鉄道

モンゴル鉄道の概要

モンゴルにおける鉄道は、1949年に設立されたウランバートル鉄道（UR）によって運行されています。この鉄道は、モンゴル政府とロシア政府がそれぞれ50%を出資する公社によって運営されています。モンゴル初の鉄道は、1938年に首都ウランバートルからナライフ炭鉱までの43kmを結ぶ750mm軌間のナローゲージ鉄道でした。その後、1951年にはソビエト連邦の支援を受け、中国内モンゴル自治区のエレンホトからロシアのナウシキまでの1113kmに及ぶ南北縦断鉄道が完成しました。

この南北縦断線は、ソ連側の1520mmゲージを採用しており、中国からロシアを経由してヨーロッパへ向かう直通列車は、エレン駅で台車の交換を行っています。当初、中ソ蒙の友好関係の中で1520mmに統一されていましたが、中ソ対立の影響により、1965年10月には中国側が標準軌の1435mmに改軌しました。しかし、ソ連崩壊後は中国がモンゴル最大の貿易相手国となったため、2014年10月にはモンゴル政府がタバントルゴイとオユトルゴイ鉱山を結ぶ240kmの標準軌鉄道建設を可決しました。

現在のモンゴル鉄道

現在、モンゴルの鉄道は、南北縦断線とその支線、そしてシベリア鉄道の支線を延長した貨物鉄道線を合わせて1800kmを超える路線を保有しています。鉄道は旅客・貨物輸送において最重要な手段であり、特に貨物輸送のシェアは96%にも達しています。

しかし、社会主義経済の停滞による混乱から、鉄道設備の老朽化が進み、災害による運休も多発しています。現在、韓国の支援を受けて近代化が進められています。また、日本もJICA（国際協力機構）を通じて鉄道輸送力整備事業を2度にわたり実施し、軌道、車両、修理工場、通信施設などの整備や更新を支援しています。

輸送形態と運行状況

本線では、ロシアと中国の両方向へ国際列車が運行しており、北京〜モスクワ間7,826kmを走るK3/4次列車|K3_4次列車も設定されています。しかし、最も利用客の多いウランバートル中央駅でも、1日の発着旅客列車は20本に満たず、貨物列車も十数本程度と、運行本数はそれほど多くありません。

主な事業者と路線

事業者
ウランバートル鉄道（UBTZ）
モンゴル鉄道（MTZ）

主な路線
モンゴル縦貫鉄道：ロシア国境のスフバートルから首都ウランバートルを経由し、中国国境のザミンウードに至る主要路線。
東部貨物線：東部のチョイバルサンからエレーンツァブを経て国境を越え、シベリア鉄道の支線と接続しボルジャに至る路線。1939年開通。旅客列車は国内のみで、貨物列車に客車を1両連結した混合列車が週2往復運行（2018年9月現在）。

隣接国との鉄道接続状況

ロシア：接続あり
中華人民共和国：接続あり

関連項目

K3/4次列車|K3_4次列車
K23/24次列車
4652/4653・4654/4651次列車
ウランバートル・レールバス

脚注

外部リンク

UB RAILFAN - ウェイバックマシン（2019年1月1日アーカイブ分）. ウランバートル在住の鉄道ファンによるページ
モンゴル 鉄道輸送力整備事業 - JICA (2003年6月).
* モンゴル国効率的な鉄道線路保守作業の導入に係る案件化調査 業務完了報告書

もう一度検索