モンツァ・ラリーショー

モンテカルロラリーショー：モータースポーツの祭典

イタリアのモンツァで開催されるモンツァ・ラリーショーは、1978年から続く伝統的なモータースポーツイベントです。年末のイタリアモータースポーツシーズンオフの時期に開催され、世界ラリー選手権（WRC）のトップドライバーをはじめ、二輪、四輪と様々なカテゴリーのレーサーが参加する、お祭り的な雰囲気を持つイベントとして知られています。

ユニークなコース設定と多様な競技

モンツァ・サーキットとその周辺の広大な敷地を利用したコース設定が、このラリーショーの大きな特徴です。F1イタリアグランプリで使用されるロードコースに加え、ピットレーンやホームストレートに障害物を設置したジムカーナ風のセクション、未舗装のサービスロードを使ったダートトライアル風のセクション、そして現在は閉鎖されているオーバルトラックの一部なども走行する、多様な路面と状況が織りなすユニークなステージが設定されています。

3日間にわたって8～10ステージが設定され、総合タイムで順位を競います。さらに、最終日には1対1の勝ち抜きトーナメント方式の「マスターズショー」も開催され、白熱した戦いが繰り広げられます。2017年には、22台のWRCカーを含む全105台、210名の選手が参加し、5万5千人の観客を動員するなど、その人気は高く、多くのモータースポーツファンを魅了しています。

バレンティーノ・ロッシの活躍

MotoGPのレジェンド、バレンティーノ・ロッシもこのイベントに積極的に参加しており、WRCドライバー顔負けのドライビングテクニックで知られています。WRカーを駆り、このラリーショーで7勝を挙げ、個人最多優勝記録を保持しています。彼の華麗な走りは、観客を熱狂の渦に巻き込みます。

WRC公式戦としての開催

2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、ヨーロッパ圏外のWRCイベントが相次いで中止となりました。国際自動車連盟（FIA）は選手権カレンダーを再編する必要に迫られ、その結果、このモンツァ・ラリーショーがACIラリー・モンツァとして、公式WRCイベントとして開催されることになりました。これは、2003年のサンレモ以来となるイタリア本土でのWRC開催でした。感染予防のため無観客開催となりましたが、歴史的な出来事となりました。

WRCイベントとして開催するには、SS（スペシャルステージ）の総距離が200km以上という条件がありました。そのため、金曜日と日曜日にはサーキットを使用し、土曜日にはモンツァから北東に位置するコモ湖周辺の山岳道路を使用した公道ステージが加えられました。この年は、低温と大雨という厳しいコンディションの中、急遽スノータイヤの使用が認められるなど、ドラマチックな展開となりました。山岳コースでは降雪に見舞われ、ポイントリーダーがコースオフしてリタイア、最終的にチームメイトが逆転でWRCチャンピオンに輝くという、波乱に満ちたレースとなりました。

2021年も、当初はリザーブ扱いでしたが、最終戦ラリージャパンの中止に伴い、2年連続でWRCイベントとして開催されました。2022年はラリー1規定が導入された年であり、このレースは1997年以来続いてきたワールドラリーカーの最後のステージとなりました。この年でレギュラー参戦を終えるセバスチャン・オジェ選手が2年連続優勝を果たし、通算8度目のWRCチャンピオンを獲得するという、歴史に残るレースとなりました。

モンツァ・ラリーショーは、そのユニークなコース設定、豪華なドライバー陣、そして時としてドラマチックな展開で、世界中のモータースポーツファンを魅了し続ける、特別なイベントです。今後も、その伝統と興奮は受け継がれていくことでしょう。

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