モントリオール・カナディアンズ

モントリオール・カナディアンズ：伝説と栄光の歴史

モントリオール・カナディアンズは、カナダ・ケベック州モントリオールを本拠地とする、ナショナルホッケーリーグ（NHL）所属のプロアイスホッケーチームです。NHL創設以前から存在する最古のチームであり、トロント・メープルリーフス、ボストン・ブルーインズなどと並ぶ「オリジナル・シックス」の一角を担っています。

チーム名と愛称

正式名称はフランス語で「Les Canadiens de Montréal」、英語では「Montreal Canadiens」と表記されます。愛称としては、フランス語で「le Bleu-Blanc-Rouge（青白赤）」、「le Tricolore（三色旗）」、また「les Habitants（住民）」、「le Canadien（カナダ人）」、「les Glorieux（栄光のチーム）」など、チームカラーや歴史的背景に由来する様々なものが用いられます。英語では「The Habs」という愛称が一般的です。

輝かしい歴史

カナディアンズは、北米プロスポーツ界においてニューヨーク・ヤンキースと並び、最も成功したチームの一つです。特にスタンレーカップでは圧倒的な強さを誇り、NHL最多となる24回の優勝を成し遂げています。これは、2位のトロント・メープルリーフス（13回）、3位のデトロイト・レッドウィングス（11回）を大きく引き離す記録です。

2013-2014シーズン終了時点で、スタンレーカップを10回以上制覇したチームはカナディアンズを含めわずか3チームしかなく、その中でカナディアンズには10回以上優勝を経験した選手がアンリ・リシャール、ジャン・ベリヴォー、イワン・クルノワイエの3人もいます。これは北米4大プロスポーツリーグにおいても他に例を見ない偉業です。

近年は優勝から遠ざかっていますが、プレーオフには常連として出場しており、依然として強豪チームの一つとして知られています。

黎明期から黄金時代へ

カナディアンズは、NHLの前身であるNHA（National Hockey Association）の創設メンバーとして1909年に誕生しました。1916年には初のスタンレーカップ優勝を達成、その後も数々のドラマを生み出してきました。

1920年代には、オーレル・ジョリア、ハウィー・モレンツらの活躍により、再び強豪チームとして返り咲き、1930年代にはスタンレーカップを連覇するなど、黄金時代を築きました。しかし、1930年代後半にはリーグ最下位に低迷する時期もありましたが、モーリス・リシャール、トー・ブレイク、エルマー・ラシュらの活躍によって再びカップ優勝を達成しました。

1950年代はカナディアンズの全盛期でした。この時代、チームはNHL史上最強と称されるほどの強さを誇り、1951年から1960年までの10年間で6度の優勝、うち5年連続優勝という偉業を達成しました。ジャン・ベリヴォー、ディッキー・ム−ア、ダグ・ハーヴィー、バーニー“ブーン・ブーン”・ジョフリオン、そして守護神ジャック・プラントらのスター選手を擁し、圧倒的な強さを見せつけました。

この時期には、モーリス・リシャールの出場停止処分を巡ってファンが暴動を起こす「リシャール暴動」も発生するなど、カナダ国民の熱狂的な支持を集めていました。

1960年代から現代へ

1960年代以降も、カナディアンズは常に強豪チームとして存在し続けました。1970年代には、スコティ・ボウマン監督の下、ギイ・ラフレール、イワン・クルノワイエ、スティーブ・シャットらを中心としたチームが、NHL記録となる80試合中わずか8敗という驚異的な成績でスタンレーカップを3連覇しました。

1980年代には、パトリック・ロワという新たなスター選手が登場し、1986年にチームを優勝に導きました。1993年にも再びカップ優勝を果たしましたが、以降は低迷期に入り、プレーオフ進出を逃すシーズンも経験しました。1995年には、パトリック・ロワの移籍劇が起こり、チームは大きな転換期を迎えました。

2000年代に入り、サク・コイブ、ホセ・セオドアらの活躍によりチームは再び勢いを取り戻し、2000年代後半にはプレーオフで強豪チームを破るなど、復活の兆しを見せました。2020-2021シーズンには、27季ぶりにスタンレーカップ決勝に進出する快挙を成し遂げました。

まとめ

モントリオール・カナディアンズは、その輝かしい歴史と数々の伝説によって、NHLだけでなく、カナダを代表するスポーツチームとして、多くの人々に愛されています。今後もその伝統と栄光を胸に、新たな歴史を刻んでいくことが期待されます。

主な記録

スタンレーカップ優勝回数：24回（NHL最多）
準優勝：11回
プレーオフ進出回数：多数

主な永久欠番

パトリック・ロワ：背番号33

もう一度検索