ボストン・ブルーインズ

ボストン・ブルーインズ：栄光と苦難の歴史

ボストン・ブルーインズは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンを本拠地とする、ナショナルホッケーリーグ（NHL）所属のプロアイスホッケーチームです。1924年の創設以来、数々の名選手を輩出し、NHLの歴史に名を刻んできました。

黎明期と初のスタンレーカップ

1924年、食料雑貨販売業者のチャールズ・アダムスの尽力により、NHLにアメリカ初のチームとして誕生しました。当初のチームカラーはアダムスの食料品チェーンにちなんだ茶色と金色でした。1926-27シーズンには、アート・ロスがウェスタン・ホッケーリーグ解体に乗じてエディ・ショアら有力選手を獲得し、チームは飛躍。1929年には初のスタンレー・カップ優勝を果たしました。

1930年代もショア、タイニー・トンプソンらの活躍で好成績を維持し、1938-39シーズンにはフランク・ブリムセクの加入もあって2度目のカップ優勝を飾りました。

第二次世界大戦とオリジナル・シックス時代

第二次世界大戦勃発により、多くの主力選手が兵役に就き、チームは戦力低下を余儀なくされました。1943-44シーズンにはNHL自体が6チームにまで縮小。1941年以降、約四半世紀に渡ってスタンレー・カップから遠ざかりました。1960年から1967年まで8期連続でプレイオフ進出を逃しましたが、それでもファンの支持は高く、ボストン・セルティックスの人気を凌ぐほどでした。

エクスパンション時代：「ビッグ、バッド、ブルーインズ」

1960年代後半、ボビー・オア、フィル・エスポジトらが加入し、チームは再び黄金期を迎えます。乱暴なプレーと圧倒的な攻撃力を兼ね備えたチームは「ビッグ、バッド、ブルーインズ」と呼ばれました。1970年には29年ぶりのスタンレー・カップを獲得。1971年にはリーグの得点記録を塗り替え、10傑に7人がブルーインズの選手という圧倒的な力を見せつけました。1972年にもカップを獲得しましたが、その後はプレイオフで苦戦が続きました。

1975-76シーズン後、オアがチームを去ると、ブラッド・パークらを獲得するも、カップには手が届きませんでした。

1980年代から2000年代初頭

1980年代には、レイ・ボーク、リック・ミドルトンらの活躍でプレイオフの常連となりましたが、カップ獲得には至りませんでした。1987-88、1989-90シーズンにはカップ決勝に進出しましたが、いずれもエドモントン・オイラーズに敗れました。1990年代以降は低迷が続き、2000年代に入っても状況は好転しませんでした。

2005-2006シーズンには、ジョー・ソートンらを放出し、チームの再建を図りました。

強豪ブルーインズの復活、そしてスタンレーカップ奪還

2006-2007シーズンから、ピーター・シラーリGMの下、デーブ・ルイスヘッドコーチを迎え、ジデノ・チャラ、マーク・サバード、フィル・ケセルらを獲得し、新体制で再出発しました。2007-2008シーズンには、クロード・ジュリエンがヘッドコーチに就任。若手が台頭し、チームは着実に力をつけていきました。

2010-2011シーズンには、ネイサン・ホートン、クリス・ケリー、トーマス・カブレらを獲得し、万全の体制でシーズンに臨みました。ティム・トーマス、ジデノ・チャラを中心とした守備陣はリーグ屈指の安定感を誇り、攻撃陣もホートン、ミラン・ルチッチ、デイビット・クレイチらが活躍。39年ぶりとなるスタンレー・カップを獲得しました。

この優勝は、長年の苦難を乗り越え、再び頂点に返り咲いたブルーインズの歴史に新たな1ページを刻みました。

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