モーゼルHSc

モーゼルHSc

モーゼルHScは、1937年にドイツのモーゼル社で開発された自動拳銃です。3種類の口径（.22口径、.32口径、.38口径）があり、HSは「Hahn-Selbstspanner」（ダブルアクション）の略で、cは3番目の開発機種を意味します。

概要

ワルサーPPのような警察用拳銃とは異なり、モーゼルHScは、直線的なデザインが特徴です。これは、戦時中の大量生産を考慮して、製造の容易さを重視した設計によるものと考えられています。

沿革

1940年に第二次世界大戦が始まると、モーゼルHScはナチス・ドイツ軍の将校向けに生産されました。戦後、モーゼル社は銃器製造を禁止され、残存パーツでフランスが短期間製造しました。その後、モーゼル社は解散しましたが、1949年に技術者と従業員がヘッケラー&コッホ（H&K）社を設立し、1960年代にモーゼル社が再興されました。1968年には、ルガーP08型拳銃と共にモーゼルHScの再生産が開始され、各国に輸出されました。モーゼル社製のHScは、1977年に最後のモデル「One of five thousand」5000丁が製造され、その後はイタリアのレナートガンバ社がライセンス生産を行っています。

バリエーション

レナートガンバ/モーゼルHSc80

HScをベースに装弾数を増やした改良型で、レナートガンバ社がイタリアで生産しています。アメリカ合衆国向けには「モーゼルHScスーパー」としてインター・アームズ社が輸入販売しています。デザインはHScとは若干異なります。

登場作品

映画

『ネバーセイ・ネバーアゲイン』：ボンドが使用
『アヴァロン』：主人公アッシュが使用
『冒険者たち』：悪役が使用
『吼えろ脱獄囚』：大木竜介が使用

漫画

『ワイルド7』：コンクリートゲリラ、黄金の新幹線で使用

小説

『鏖殺の凶鳥』：グロスマイスター大尉の私物として登場
大藪春彦のアクション小説群：伊達邦彦愛銃として初期作品に多数登場
『野獣死すべし』
『凶銃ルガーP08』
『戻り道はない』
『戦いの肖像』
『血の挑戦』
『野獣都市』
『ウィンチェスターM70』

ゲーム

『バイオハザード RE:2』：ブルームHcとしてエイダ・ウォンの初期装備

関連項目

モーゼル

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