モーターグレーダー

モーターグレーダーとは

モーターグレーダーは、建設現場や道路工事で活躍する自走式の整地用車両です。英語では「motor grader」と呼ばれ、地面を均す作業に特化しています。初期はトラクターで牽引する器具でしたが、エンジンを搭載した自走式が登場し、現在では動力式グレーダーとして知られています。

主な用途

モーターグレーダーは、以下のような多岐にわたる作業で利用されます。

工事現場での整地: 広大な土地を平らにする作業。
道路工事: 路床や路盤の精密な整地作業。
除雪作業: 冬季にはブレードを追加装備して除雪作業にも活用。
法面の整形: 斜面の切取りや仕上げ。
L形溝の掘削: 溝を掘り、整形する作業。

特に大規模な土木工事でその能力を発揮し、ロードローラーと組み合わせて道路の整地に用いられます。車体が大きいため、小規模な作業には不向きです。

構造と特徴

モーターグレーダーは、ブレードと呼ばれる土工板を車体中央に吊り下げ、荒れた地面を均します。以下のような特徴があります。

車体構成: エンジンやキャビンは後部に配置され、前方にブームが伸び、先端に操舵用の車輪がある6輪車です。
ブレード: 前後の車軸間に吊り下げられたブレードで、地面を滑らかに整えます。ブルドーザーよりも精密な作業が可能です。
操舵とブレード調整: 丸ハンドルで操舵し、レバーでブレードの高さや傾きを調整します。
リーニング装置: 前輪にキャンバー角をつけ、ブレードの反力による進路のずれを防ぎます。
アタッチメント: スノープラウ、リッパー、スカリファイアーなどの作業用アタッチメントがあります。

運転室は開放式と密閉式があります。

必要な免許

日本では、モーターグレーダーを工事現場で使用する場合、労働安全衛生法に基づく車両系建設機械運転者（整地・運搬・積込・掘削用）の資格が必要です。また、公道での運転には大型特殊免許が必要です。

日本における年表

1948年: 日本開発機（現三井E&S）がモータグレーダHA56を発売。
1950年: 池貝がディーゼルグレーダ2SK3型を発売。
1952年: 東日本重工業がモータグレーダMGIIを発売。三菱日本重工がモータグレーダMGIII、日本開発機がモータグレーダHA46を発売。
1953年: 三菱日本重工がモータグレーダLGIIを発売。

主な製造会社（日本）

三菱重工: 2013年に製造を終了し、権利をトルコのヒドロメック社へ譲渡。
コマツ: 池貝自動車を買収して参入。
新潟鉄工: フランスのRICHIER社と技術提携。現在は製造終了。
日本開発機（三井E&S）: 製造終了。
川崎重工業: アメリカのHUBER社と技術提携。小型モデルも製造。ともに製造終了。

主な製造会社（日本以外）

CATERPILLAR: キャタピラージャパンにより日本国内でも販売。
VOLVO: 旧CHAMPION時代にも除雪用として導入。
DEERE
CASE
NEW HOLAND: 現在はフィアット傘下、CNHグローバルのブランド。
TEREX
HIDROMEK: ヒドロメックジャパンにより日本国内でも販売。

モーターグレーダーは、その高い整地能力と多機能性から、建設業界において重要な役割を果たしています。

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