モーニング刑事。抱いてHOLD ON ME!

モーニング刑事。抱いてHOLD ON ME!：アイドルと事件の融合

1998年、日本の映画界に突如として現れた異色の作品『モーニング刑事。抱いてHOLD ON ME！』は、人気読者モデルとアイドルグループによる、笑いとスリルに満ちたエンターテインメントです。当時、絶大な人気を誇っていた平家みちよとモーニング娘。の共演作として話題を呼び、アイドル映画史における重要な作品の一つとして記憶されています。

人気モデルの危機とアイドル刑事の活躍

物語の中心となるのは、ファッション雑誌で活躍する人気読者モデル、平家みちよ（劇中では芸名そのままの役名）。彼女は突如、正体不明のストーカーに狙われ始めます。執拗な嫌がらせに怯えるみちよを救うため、モデル仲間であるモーニング娘。のメンバーたちが立ち上がります。空手道場で特訓を積んだ彼女たちは「モーニング刑事。」を名乗り、ストーカーを追跡し、事件解決に挑むのです。

豪華キャストと個性的なキャラクター

本作は、平家みちよとモーニング娘。メンバー全員が本人役で出演しているという、他に類を見ないキャスティングが最大の魅力です。中澤裕子、石黒彩、安倍なつみ、飯田圭織、福田明日香、保田圭、矢口真里、市井紗耶香といった、当時を代表するアイドルたちが、それぞれ個性豊かなキャラクターを演じています。さらに、上島竜兵、庄司哲郎、小宮孝泰、野沢トオルといったベテラン俳優陣も脇を固め、作品に深みを加えています。カントリー娘。加入前の柳原尋美や、シャ乱Qのたいせー（友情出演）も顔を揃え、豪華な共演陣が作品を彩ります。

全国縦断イベント上映

『モーニング刑事。抱いてHOLD ON ME！』は、全国各地を巡回するイベント形式での上映という、斬新な試みも行われました。平家みちよとモーニング娘。によるミニライブとセットになったこのイベントは、アイドルと映画という、異なるエンターテインメントの融合として、多くのファンを熱狂させました。その熱気は、アイドルブームの勢いを象徴する出来事として、現在も語り継がれています。

音楽とサウンドトラック

主題歌は、オープニングテーマに平家みちよが歌う「だけど 愛しすぎて」、エンディングテーマにモーニング娘。が歌う「抱いてHOLD ON ME!」が起用され、いずれも大きな話題となりました。また、サウンドトラックアルバムも発売され、映画音楽としてだけではなく、アイドルソングとしても高い人気を集めました。これらの楽曲は、本作品をより一層盛り上げ、その魅力を多角的に引き立てています。

スタッフ

企画：山崎直樹
プロデューサー：高橋勝、伊藤直克
監督：今関あきよし
脚本：鷲見市子
撮影：大沢栄一
照明：平本孝浩
録音：谷村彰治
美術：石毛朗
音楽：遠藤浩二
編集：高橋信之
助監督：足立公良
制作担当：香川智宏
製作：アップフロントエージェンシーグループ（現・アップフロントグループ）、テレビ東京、テレビ東京ミュージック、吉本興業、電通、シーユーシー

作品への評価とその後

『モーニング刑事。抱いてHOLD ON ME！』は、アイドル映画というジャンルにおいて、高いエンターテインメント性と、当時ならではのアイドル文化を凝縮した作品として評価されています。アイドルと映画、そして全国縦断イベント上映という、これまでにない試みは、後のアイドル映画やイベント企画に影響を与えたと言えるでしょう。現在では、その時代性を反映した貴重な作品として、多くのファンに愛され続けています。

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