モーハン (俳優)

モーハン：タミル映画界を代表する実力派俳優

モーハン（Mohan、1956年5月10日 - ）は、インド映画界、特にタミル語映画において高い人気を誇るベテラン俳優です。デビュー作『Kokila』にちなみ「コキラ・モーハン」、多くの作品で歌手役を演じたことから「マイク・モーハン」の愛称でも親しまれています。

彼のキャリアは1977年、映画『Kokila』でのデビューから始まりました。その後、1978年にはマラヤーラム語映画『Madaalasa』に進出し、テルグ語映画『Toorpu Velle Railu』にも出演するなど、多様な言語の映画で活躍の場を広げていきます。1980年の『Moodu Pani』の大ヒットにより、モーハンはシルバー・ジュビリー俳優の称号を獲得。これは興行的成功を収めた映画を記念する称号であり、彼の高い人気と才能を証明するものです。1980年代には「タミル語映画界のラージェーンドラ・クマール」と称賛されるほど、その地位を不動のものにしました。

モーハンの代表作として挙げられるのが、K・バギャラージ監督による『Nenjathai Killathe』です。この作品は1年間ものロングランを記録する大ヒットとなり、国家映画賞 タミル語長編映画賞を受賞するなど、高い評価を獲得しました。さらに1982年には、映画『Payanangal Mudivathillai』で卓越した演技力を認められ、フィルムフェア賞 タミル語映画部門主演男優賞を受賞。この受賞は、モーハンがタミル語映画界を代表するスター俳優としての地位を確固たるものにした転換点となりました。1986年には、マニラトナム監督の『沈黙の旋律』に出演し、その演技は批評家から絶賛されました。

俳優としての活動にとどまらず、モーハンは1999年には映画『Anbulla Kadhalukku』で監督、製作、主演の三役をこなしました。しかしながら、興行的成功には至りませんでした。同時期には『Acham Madam Nanam』『Selvangal』『Hasiyaramayana』『Brindavanam』などのテレビシリーズのプロデューサーとしても活躍し、多岐に渡る才能を発揮しています。2006年には『Unakkum Enakkum』でジェヤム・ラヴィの父親役のオファーを受けましたが、これを辞退し、代わりにK・バーギャラージが起用されています。9年ぶりの主演作となった2008年の『Sutta Pazham』や同年プロデュースした『Thalappavu』など、近年も精力的に活動を続けています。

モーハンのキャリアは、単なる俳優としての成功にとどまりません。彼は、歌手役を多く演じたことや、監督・プロデューサーとしての経験を通して、タミル映画界に多大な貢献を果たしました。彼の演技は高く評価され、数々の賞を受賞しています。今後も、彼の活動から目が離せません。

参考文献

* Balabharathi (2012) (タミル語). [Tamil Cinema 80 Part-2]. Chennai: Nakkheeran Publications. ISBN 978-93-81828-41-0

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