ヤエガワカンバ

ヤエガワカンバ (八重皮樺)

ヤエガワカンバ、学名 Betula dahurica は、カバノキ科カバノキ属に属する落葉高木です。この植物は主に日本、中国、朝鮮半島、東モンゴル、そして極東ロシアに広がって分布しています。特に日本では長野県の野辺山など、本州の一部に生育し、現在では絶滅の危機がある種として保護されていることも特筆すべき点です。

外見的特徴

ヤエガワカンバは最大で約20メートルに達することがあり、その外観は特に特徴的です。樹皮は黒く、非常に光沢のある赤褐色や暗い茶色の無毛の枝が目を引きます。葉柄は0.5～1.5センチメートルほどの長さで、葉の形は卵形、楕円形、または菱形と多様性があります。特に雌株においては、花序が直立または垂れ下がる特徴があり、花柄は長いのが特徴です。苞はおおよそ5～6ミリメートルの皮針形をしており、非常に小さな花を持つのが特徴です。果実は7月から8月にかけて成熟し、楕円形の無毛の種実に膜状の翼が付く形が見受けられます。

生育環境

この種は日本国内では、単木として存在するか、小規模な林を形成する場合が多いです。具体的な分布地域としては、山梨県、長野県、群馬県、埼玉県、さらに北海道の十勝、オホーツク、日高管内などが挙げられます。これらの地域では、緩やかな斜面や未熟な礫質土壌という共通の環境条件が見られることが特徴です。

保護状況

ヤエガワカンバは、日本の環境省のレッドリストにおいて「準絶滅危惧（NT）」に分類されています。これは、この種が将来的に絶滅の危険にさらされている可能性があることを示唆しています。このような状況から、保護活動や生育環境の維持が求められています。

関連文献

ヤエガワカンバに関する研究もいくつか存在しており、特に小川滋之氏と沖津進氏による2011年の地理学レビューでは、外秩父山地におけるヤエガワカンバ林の分布要因が議論されています。また、Reise Pallasによる1776年の著作『Betula dahurica』でもこの植物について言及されています。さらに、ヤエガワカンバに関連した情報は日本大百科全書の「ヤエガワカンバ」項目やコトバンクでも確認することができます。

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