ヤシン・ブヌ

ヤシン・ブヌ - ゴールキーパー

ヤシン・ブヌ（Yassine Bounou、アラビア語: ياسين بونو‎）は、1991年4月5日にカナダのケベック州モントリオールで生を受け、モロッコのカサブランカで成長したプロサッカー選手です。現役でサウジ・プロフェッショナルリーグの名門アル・ヒラルに所属しており、ポジションはゴールキーパーです。愛称は「ボノ」として親しまれています。

クラブ経歴

彼のサッカーキャリアは8歳の時から始まります。カサブランカにある歴史あるクラブ、ウィダード・カサブランカのユースチームで育ち、2010年にはトップチームに昇格し、プロとしての第一歩を踏み出しました。ブヌはその後、2012年にスペインのアトレティコ・マドリードBに移籍し、さらに2014年にはサラゴサへのローン移籍を果たします。2016年からはジローナFCでプレーし、実力を磨き続けました。

2019年、彼はセビージャFCに加入します。ここでの彼のキャリアは転機を迎え、2019-20シーズンの終盤、正GKのトマーシュ・ヴァツリークが怪我により離脱する中、ブヌは出場機会をつかむとともに、好パフォーマンスを披露し、正GKとして定着しました。2020-21シーズンには、リーグ戦に33試合出場し、特に3月20日のレアル・バリャドリード戦でのプロ初ゴールが記憶に残ります。これにより、勝利に貢献することができました。

また、2021-22シーズンにはサモラ賞を受賞するなど、リーグ最少失点という記録を達成し、名実ともにトップGKとしての地位を確立しました。2022-23シーズンには、UEFAヨーロッパリーグ決勝のASローマ戦でのPK戦において、マンチーニのシュートを止める活躍を見せ、チームの優勝に貢献し、この試合のプレーヤーオブザマッチにも選出されました。

2023-24シーズンが始まる前には、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンからのオファーがあったものの、最終的にアル・ヒラルへの完全移籍を選びました。

代表歴

ヤシン・ブヌはカナダに生まれながらも、モロッコ人の両親の元で育ったため、カナダ代表とモロッコ代表のどちらかを選ぶ権利がありましたが、モロッコ代表を選びました。2012年にはロンドンオリンピックでU23代表の一員として参加しましたが、試合には出場しませんでした。その後、2013年8月13日にA代表に初めて招集され、翌日の親善試合で初キャップを記録します。

2018年にはロシアワールドカップの代表に選ばれますが、出場機会は得られず、チームはグループステージで敗退しました。ただ、2022年にはFIFAワールドカップカタール大会にメンバー入りし、特にラウンド16のスペイン戦ではPK戦で全てのシュートを止める見事なプレーを披露し、無失点で勝利に貢献しました。これはワールドカップ史上、久々の快挙とされ、注目を集めました。また、準々決勝のポルトガル戦でも無失点勝利に貢献し、モロッコがアフリカ勢として初めてベスト4に進出する偉業を達成する一因となりました。

タイトル

ブヌのキャリアでの成果は多岐にわたります。ウィダード・カサブランカ時代にはボトラのタイトルを獲得し、アトレティコ・マドリードではスーペルコパ・デ・エスパーニャを制覇しました。そして、セビージャFCではUEFAヨーロッパリーグを2019-20シーズンと2022-23シーズンに勝ち取りました。個人としては、2021-22シーズンにサモラ賞を受賞し、さらに2022年にはモロッコ国家勲章も授与されています。

まとめ

ヤシン・ブヌは、彼のキャリアを通じて成し遂げた成果や、代表チームでの活躍により、モロッコのサッカー界において重要な選手となりました。今後の彼の活躍にも大いに期待が寄せられています。

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