ヤップ島

ヤップ島

ヤップ島は、ミクロネシア連邦のヤップ州に位置する島であり、同州の州都コロニアが置かれています。この島は、西太平洋に浮かぶ大小4つの島々（ルムング、マップ、ガギル・トミル、ルール）で構成され、総面積は約101平方キロメートルです。熱帯雨林気候に属し、年間を通して高温多湿で、平均気温は27度程度です。

歴史

古代から第一次世界大戦まで

ヤップ島には紀元200年頃から人が定住していたと考えられています。16世紀にはポルトガル人が発見し、その後ドイツが領有権を主張しました。ドイツ領時代には、インフラ整備はあまり進まず、宣教師や医師など少数のドイツ人が住む程度でした。

日本の委任統治領時代

第一次世界大戦後、ヤップ島は日本の委任統治領となりました。この時代に、電気や水道、学校、病院などのインフラが整備され、日本からの移民も増加しました。

第二次世界大戦

太平洋戦争中、ヤップ島は日本軍の基地となり、約6,000人の兵士が駐屯しました。滑走路が建設され、住民は内陸部に疎開しました。連合軍の上陸はありませんでしたが、食糧不足に苦しみ、多くの戦病死者を出しました。

戦後

第二次世界大戦後、アメリカの信託統治領となり、その後、ミクロネシア連邦の一部となりました。近年では、大型台風やデング熱の流行などの被害を受けています。

石貨

ヤップ島は、巨大な石の貨幣「石貨」で知られています。これらの石貨は、大きさや形状が様々で、その価値は、単なる物としての価値だけでなく、来歴や所有者によって左右されます。石貨は、通常、移動させることはなく、特定の場所に置かれたまま取引されることが多く、経済学的には、一般的な貨幣とは異なるものとされています。

石貨の歴史

石貨には、古代に石器で切り出され、パラオからカヌーで運ばれたものと、19世紀にアメリカ人によって機械で切り出されたものがあります。前者のほうが価値が高いとされています。また、近年、日本のNPOが、古代と同様の方法で石貨を運搬する実験を行い、その石貨をヤップの酋長に寄贈しています。

石貨と経済学

アメリカ人探検家ウィリアム・ヘンリー・ファーネス3世の研究が、経済学者ジョン・メイナード・ケインズに影響を与えたと言われています。石貨の価値は、需要と供給によってではなく、歴史的・文化的背景によって決まるという事実は、従来の経済学の概念を揺るがすものでした。

交通

ヤップ島には、ユナイテッド航空のアイランドホッパー便が就航するヤップ国際空港があります。

関連項目

南洋庁
ヤップ州

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ヤップ島に関するカテゴリがあります。
ミクロネシア連邦観光局 （日本語）
* 『ヤップ島』 - コトバンク

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