ヤナ・ノボトナ

ヤナ・ノボトナ：ウィンブルドンを制した名テニスプレーヤー

ヤナ・ノボトナ（Jana Novotná, 1968年10月2日 - 2017年11月19日）は、チェコスロバキア（現チェコ）出身の元女子プロテニス選手です。1998年のウィンブルドン選手権女子シングルスで優勝し、長年の夢を実現しました。

プレースタイルとキャリア

ノボトナは、サービス・アンド・ボレーを得意とする選手でした。ネットプレーと片手打ちのバックハンド・スライスも武器とし、WTAツアーでシングルス24勝、ダブルス76勝を挙げるなど、目覚ましい実績を残しました。自己最高ランキングはシングルス2位、ダブルス1位です。

1987年にプロ入りし、1991年の全豪オープンで女子シングルス準優勝を果たしました。決勝ではモニカ・セレシュに敗れましたが、その才能の片鱗を見せつけました。ウィンブルドン選手権では、1993年と1997年にも決勝に進出しましたが、いずれも準優勝に終わりました。1993年の決勝では、シュテフィ・グラフを相手に最終セットで4-1とリードしながらも逆転負けを喫し、その精神的な弱さを指摘されることもありました。

しかし、1998年のウィンブルドン選手権では、ナタリー・トージアをストレートで破り、ついにシングルスタイトルを獲得しました。長年の努力が実を結び、多くのファンを感動させました。

ダブルスでの活躍

ノボトナは、ダブルスの名手としても知られています。ヘレナ・スコバ、アランチャ・サンチェス・ビカリオ、マルチナ・ヒンギスなど、様々な選手とペアを組み、4大大会すべてでダブルスのタイトルを獲得しました。特に、1998年にはヒンギスとペアを組み、全仏オープンから全米オープンまで4大大会女子ダブルスを3連勝する偉業を達成しました。

オリンピックでのメダル

オリンピックにも3度出場し、1988年ソウル五輪と1996年アトランタ五輪では、ヘレナ・スコバとのペアで女子ダブルス銀メダルを獲得しました。アトランタ五輪では、女子シングルスでも銅メダルを獲得しています。

引退とその後

1999年の全米オープンを最後に現役を引退。2005年には国際テニス殿堂入りを果たしました。2017年11月19日、乳癌のため49歳で逝去されました。

主な戦績

ウィンブルドン選手権 女子シングルス優勝：1998年
全豪オープン 女子ダブルス優勝：1990年、1995年
全仏オープン 女子ダブルス優勝：1990年、1991年、1998年
ウィンブルドン選手権 女子ダブルス優勝：1989年、1990年、1995年、1998年
全米オープン 女子ダブルス優勝：1994年、1997年、1998年
オリンピック 女子ダブルス銀メダル：1988年、1996年
* オリンピック 女子シングルス銅メダル：1996年

ヤナ・ノボトナは、その卓越した技術と粘り強いプレースタイルで、多くのテニスファンを魅了しました。彼女の功績は、テニス史に永遠に刻まれることでしょう。

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