ヤマハ・MT-07

ヤマハMT-07：スポーティでスタイリッシュなミドルクラスバイク

ヤマハ発動機が製造・販売するMT-07は、大型自動二輪車に分類されるオートバイです。MTシリーズの第二世代として、MT-09と共に開発されました。2013年にはエンジン先行で報道向けに公開され、同年開催のミラノショーと東京モーターショーで車両全体がお披露目されました。欧州での先行販売を経て、2014年8月20日には日本国内でMT-07とABSモデルのMT-07Aが発売されました。

開発コンセプトは「気負うことなくモーターサイクル本来の楽しみを存分に味わう」という、ライダーの自由な走りを重視したものです。北米市場ではFZ-07という車名で販売されています。

デザインと受賞歴

MT-07は、その洗練されたデザインが高く評価されています。2016年には公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会の「JIDAデザインミュージアムセレクションVol.17」に選定。ヤマハ発動機の車両としては2年連続の受賞となりました。さらに、2017年にはブルーイッシュグレーソリッド4のボディカラーが、MT-10、MT-09と共にオートカラーアウォード2017グランプリを受賞するという快挙を達成しました。これはバイク部門における初の受賞となります。

エンジンと車体

MT-07の心臓部は、直列2気筒270°クランクエンジンです。ヤマハのTRX850などで採用された構造をベースとしながらも、「クロスプレーンコンセプト」に基づいて全面的に刷新されており、力強いトルク感を重視した設計となっています。

車体はスチールフレームを採用しながらも徹底的な軽量化が図られており、車重は179kgと、同排気量のバイクと比較して1割から2割も軽いという軽快さを実現しています。その車重とサイズは、日本の400cc～250ccクラスの車両に匹敵するほどコンパクトです。

モデルチェンジと進化

2018年にはマイナーチェンジを実施。「よりMTシリーズらしい進化」をコンセプトに、前後サスペンション、シート、スタイリングなどが改良されました。具体的には、疲労軽減のための新設計シートの採用や、力強さを強調したスタイリングの変更などが行われています。サスペンションは、よりスポーティな走りに対応できるよう、フロントフォークは41mm径インナーチューブの正立式を採用。リアサスペンションはスプリングレートと減衰力を向上させ、伸側減衰力調整機能を追加することで、より精密な調整を可能にしました。これにより、扱いやすいハンドリングと、ライダーへの明確なフィードバックを実現しています。

カラーバリエーション

MT-07は、発売以来様々なカラーバリエーションが用意されています。2014年モデルではマットグレー、ホワイト、レッドの3色、2016年には新色レッドを追加、2018年モデルではマットグレー、ブルー、マットダークグレーの3色がラインナップされました。

兄弟車TRACER 700

MT-07をベースに、スポーツツアラーとして開発されたのがTRACER 700です。MT-09トレーサーと同様の外装を追加したモデルで、2016年に欧州で発表されました。日本での発売は現時点では発表されていません。

まとめ

MT-07は、軽快な走りとスタイリッシュなデザイン、そして高い評価を受ける品質を兼ね備えた、魅力的なミドルクラスバイクです。その扱いやすさとスポーティな走りは、多くのライダーを魅了し続けています。また、兄弟車であるTRACER 700の存在も、MTシリーズの魅力をさらに広げています。

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