ヤロスラワ・シュウェドワ

ヤロスラワ・シュウェドワ：カザフスタンのテニス界を彩った名選手

ヤロスラワ・ヴャチェスラヴナ・シュウェドワ（Yaroslava Shvedova、1987年9月12日生まれ）は、ロシアのモスクワ出身で、後にカザフスタン国籍を取得し、同国を代表する女子プロテニス選手として活躍しました。右利きで、両手打ちのバックハンド・ストロークを特徴とする彼女は、WTAツアーでシングルス1勝、ダブルス13勝を挙げ、自己最高ランキングはシングルス25位、ダブルス3位を記録しました。

プロとしてのキャリア

コーチであった父親の手ほどきで8歳からテニスを始めたシュウェドワは、2005年にプロに転向しました。2006年のウィンブルドン選手権で4大大会に初出場を果たし、2007年にはバンガロール・オープンでマラ・サンタンジェロを破り、WTAツアーでシングルス初優勝を飾りました。

カザフスタンへの国籍変更

ロシアの女子テニス界の厚い選手層を考慮し、シュウェドワはオリンピック出場を目指して2008年にカザフスタン国籍を取得しました。以降、フェドカップ（現ビリー・ジーン・キング・カップ）にカザフスタン代表として出場し、同国のテニス界に貢献しました。

2010年の躍進

2010年はシュウェドワにとって飛躍の年となりました。全仏オープンでは、アグニエシュカ・ラドワンスカやアリサ・クレイバノワといった強豪を破り、4大大会で初のベスト8に進出しました。ダブルスでは、バニア・キングとのペアでウィンブルドンと全米オープンのタイトルを獲得し、キャリアのハイライトを迎えました。

ゴールデンセット達成

2012年のウィンブルドン選手権では、3回戦でサラ・エラニに対し、第1セットを1ポイントも落とさずに奪う「ゴールデン・セット」を達成しました。これは、オープン化以降の女子テニスでは初の快挙であり、男子を含めても史上2人目となる記録でした。

その他の実績

シュウェドワは、2016年のウィンブルドン選手権でもシングルスでベスト8に進出、ダブルスでは準優勝を果たしました。また、ロンドンオリンピックにも出場するなど、国際舞台で活躍しました。

引退後

2017年全仏オープンを最後に公式戦から遠ざかり、2018年には双子を出産。2021年に34歳で現役を引退しました。引退後は、ビリー・ジーン・キング・カップカザフスタン代表の監督に就任し、後進の指導にあたっています。

主な戦績

WTAツアー シングルス優勝：1回
WTAツアー ダブルス優勝：13回
4大大会ダブルス優勝：2回
ウィンブルドン選手権：1回（2010年）
全米オープン：1回（2010年）
自己最高ランキング
シングルス：25位（2012年）
ダブルス：3位

ヤロスラワ・シュウェドワは、その才能と努力でカザフスタンのテニス界に大きな足跡を残しました。彼女の活躍は、多くの人々に感動と勇気を与え、記憶されることでしょう。

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