ヤロポルク・イジャスラヴィチ

ヤロポルク・イジャスラヴィチ（1043年 / 1047年 - 1086年12月5日）は、キエフ大公イジャスラフ1世と、ポーランド王ミェシュコ2世の娘ゲルトルダとの間に生まれた人物です。彼はヴォルィーニ公、トゥーロフ公、ヴィシゴロド公といった公位を所有していました。

生涯

ヤロポルクに関する史料における最初の言及は1071年の記述に見られ、彼はポロツク公フセスラフをゴロティチェスクで破りましたが、フセスラフはポロツクを保持し続けました。1073年には、父イジャスラフと共にキエフを追われ、西方へ逃れました。ローマ王ハインリヒからの支援を得られなかったため、ローマ教皇グレゴリウス7世の庇護を受けました。

1075年頃、ヴァイマール＝オーラミュンデ伯オットー1世の娘クニグンダと結婚しました。クニグンダが所有していた詩篇『ゲルトルダの祈祷書』には、ヤロポルクとローマ教皇との会見に関する記述や、ヤロポルクと妻イリーナ（クニグンダ）のミニチュアポートレイトが記されています。1076年、ヤロポルクは父イジャスラフと共にキエフに帰還し、ヴィシゴロドを受領しました。1078年には、父とスヴャトスラフとの戦いに参加しましたが、この戦いで父イジャスラフが戦死しました。その後、キエフ大公位に就いたフセヴォロド1世は、チェルニゴフ公国領を手元に残し、ヴォルィーニ公国、トゥーロフ・ピンスク公国領をヤロポルクに与えました。以降、ヤロポルクは自身の死まで、ガーリチ・ロスチスラフ家とヴォルィーニ公国領を巡って争うことになります。

ロスチスラフ家との闘争と死

1084年、ロスチスラフ家のリューリク兄弟はヤロポルクを避けてペレムィシュルへ入り、その後軍勢を率いて帰還し、ヤロポルクをウラジーミル・ヴォリンスキーから追い出しました。これに対し、キエフ大公フセヴォロド1世は息子のウラジーミル・モノマフを援軍に差し向け、ウラジーミル・ヴォリンスキーをヤロポルクの元へ返還させましたが、ヴォルィーニ公国領ドロゴブージを所領のない公となっていたダヴィドに与えました。ヤロポルクはこの処置に不満を抱きましたが、結果的にウラジーミル・ヴォリンスキーもダヴィドの所領となりました。

1086年、ヤロポルクはポーランド王国から軍事あるいは外交上の支援を得て、ウラジーミル・モノマフと和平し、再びウラジーミル・ヴォリンスキーを手中に収めました。しかし同年の冬、リューリク兄弟に対する遠征の最中に、配下の従士ネラデツの裏切りによってズヴェニゴロド付近で殺害されました。ネラデツはリューリクの元へ逃走したため、リューリクを首謀者として非難する噂が流れました。ヤロポルクの遺骸はキエフのドミトロフ修道院に埋葬され、妻のクニグンダはルーシを去りました。所領の一部は1088年に、兄弟のスヴャトポルクが受領しました。

妻子

妻はヴァイマール＝オーラミュンデ伯オットー1世の娘クニグンデです。子には以下の人物がいます。

ヤロスラフ - ベレスチエ公
ヴャチェスラフ
アナスタシヤ - ミンスク公グレプと結婚
娘（ドイツの年代記に言及される） - シュヴァルツブルグ伯ギュンターと結婚

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