ヤンボル州

ヤンボル州の概要

ヤンボル州は、ブルガリア南東部に位置し、トルコとの国境に面する州です。この地域は、古代からの歴史的な背景と、豊かな自然環境が調和した場所として知られています。

基礎自治体

ヤンボル州は、以下の5つの基礎自治体で構成されています。

ボリャロヴォ（Bolyarovo）
エルホヴォ（Elhovo）
ストラルジャ（Straldzha）
トゥンジャ（Tundzha）
ヤンボル（Yambol） - 州都

歴史

ヤンボル州の標語は「遠い過去からやって来て、そして未来へ」という言葉で、この地域の長い歴史を象徴しています。紀元前6千年頃の遺物が発見されていることからも、この地が古代から人々の生活の場であったことが伺えます。また、トゥンジャ市ドラマ村には、先史時代の古墳も残っています。

古代集落カビレ

かつてカビレと呼ばれた古代集落は、現在では考古学および自然保護区となっており、トラキア人の重要な遺跡として知られています。紀元前1千年紀には、トラキア人の政治、経済、宗教の中心地として機能していたと推定されています。1980年代以降の考古学調査では、石碑、硬貨、陶器、建造物など、数多くの遺物が発見されており、古代史研究の貴重な資料となっています。

ローマ帝国時代

ローマ帝国支配下では、ディオクレティアヌス帝の時代にディオスポリスという城が建設されました。また、中世の城と修道院がボリャロヴォ市ヴォデン村に残っています。

近世の建造物

15世紀に建てられたバザールであるベジステンや、エスキー・ジャミア（モスク）などは、保存状態が良く、現在も使用されています。

出身者・ゆかりのある人物

ヤンボル州は、多くの著名人を輩出しています。

ゲオルギ・パパゾフ（画家）
ジョン・アタナソフの父イヴァン（ヤンボル近郊出身）
碧山亘右（大相撲力士）

地理と自然

トゥンジャ川が州内を縦断しており、トルコのエディルネへと流れています。川によって形成された谷状の地形が南北に伸び、その周辺は標高100mから150mの丘陵地帯となっています。州北部では内陸性の気候が見られる一方、南部は典型的な地中海性気候となっています。年間平均気温は摂氏12度から12.5度で、ボリャロヴォ市ステファン・カラジョヴォ村にはミネラル泉が湧出しています。

農業と森林

農地面積は州全体の76.9％を占め、主要な農産地となっています。森林には、主にニレ、ヤナギ、ポプラ、オークなどが生息しており、豊かな自然を形成しています。

もう一度検索