ヤン・アルベルト・ヴァザ

ヤン・アルベルト・ヴァザ

ヤン・アルベルト・ヴァザ（1612年6月25日 - 1634年12月29日）は、ポーランド・リトアニア共和国の枢機卿およびヴァルミア司教として知られる人物です。彼は、ポーランド王ジグムント3世と彼の2番目の妻であるコンスタンツェの間に生まれました。ジグムント3世はスウェーデン王でもあり、そのためにヤン・アルベルトは両国の王室に連なる家系の一員でもありました。

生い立ちと任命

ヤン・アルベルトはポーランド王ヴワディスワフ4世の異母弟であり、同母弟にはヤン2世がいます。彼の幼年期には父である王から非常に特別な地位を与えられ、9歳という若さでヴァルミアの領主司教に任命されました。この任命は、1621年10月に教皇の承認を受けることとなりますが、ヴァルミアの司教座聖堂参事会はその承認について紛糾し、貴族階級（シュラフタ）も最終的な承認まで反対を続けました。

若き司教は一度も自らの教区を訪れることはないまま、教区の運営は補佐司教や他の聖職者によって行われました。ヤン・アルベルトが行った数々の寄附によって、フラウエンブルクの聖堂は大変な財産を得ることとなり、ここには使徒アンデレの黄金像も含まれていました。また、彼はイエズス会によって教育を受けるなど、厳格な教育カリキュラムを経て成長しました。

クラクフ司教と枢機卿への昇任

1632年には、20歳でクラクフ司教を兼任することが決まり、1633年2月27日からその職を開始しました。同年12月20日、彼が共和国の枢機卿となることが布告されました。ただし、教皇ウルバヌス8世は1629年10月29日、ヤン・アルベルトを秘かに枢機卿に任じていたため、公式な布告よりも早く彼の地位が確立されていたことになります。

短い生涯と死

ヤン・アルベルトは1634年、異母兄ヴワディスワフ4世の外交政策の一環としてイタリアのパドヴァを訪れていましたが、その地で急死しました。死因は明らかではありませんが、アルブレフト・スタニスワフ・ラジヴィウの記録によれば、弟アレクサンデル・カロルから天然痘を感染された可能性が指摘されています。アレクサンデル・カロルも同年に天然痘で死亡しているため、この説には信憑性があります。他方で、当時の司教の一人であるパヴェウ・ピャセツキは別の病気が死因であると考えるなど、さまざまな見解が存在しました。

結論

ヤン・アルベルト・ヴァザの生涯は非常に短かったものの、その人物はポーランド王家の一員として、また宗教界の重要な地位にあったことから、歴史の中で特異な存在であったことは間違いありません。彼の影響や業績は、当時の社会に少なからぬ影響を与えています。

もう一度検索