ヤーロウM級駆逐艦

ヤーロウM級駆逐艦

ヤーロウM級駆逐艦は、イギリス海軍が第一次世界大戦前に建造したM級駆逐艦のなかで、ヤーロウ社が設計を担当したサブクラスです。1913-4年度計画において、当時の海軍大臣ウィンストン・チャーチルの意向により、大幅な速力向上を目指して建造が開始されました。

来歴

1913-4年度計画では、海軍本部の基本設計によるアドミラルティM級6隻に加え、民間造船所の自由な設計による特型7隻の建造が決定されました。この特型の一つとして、ヤーロウ社が設計を担当したのが本級です。さらに、第一次世界大戦の勃発に伴う戦時緊急計画によって、1914-5年度に5隻、1915-6年度に2隻が追加建造されました。

設計

基本設計は、先行するL級駆逐艦の小改正型であるアドミラルティ型と同様で、船首楼型の船体形状を採用しています。しかし、ヤーロウM級では、L/B比10.5という細長く軽量な船体が特徴です。主機には直結タービンが採用され、2軸推進で、機関出力は23,000馬力とM級の中では最低でしたが、優れた船体設計により、高い速力を発揮しました。例えば、「マイノス」は公試で36.091ノットを記録しています。戦時緊急計画に基づく後期型では、艦尾を0.6メートル延長することで造波抵抗を低減し、「マウンセイ」は39.01ノットというM級最高の速力を達成しました。

装備

兵装は、アドミラルティ型と同様の構成です。艦砲はL級から引き継がれた40口径10.2cm砲（QF 4インチ砲Mk.IV）を3門搭載。対空兵器としては、当初29口径37mm機銃（QF 1ポンド・ポンポン砲）が搭載され、後に39口径40mm機銃（QF 2ポンド・ポンポン砲）に換装されました。戦時緊急計画に基づく後期型では、当初からこの40mm機銃が搭載されています。水雷兵装もL級から引き継がれており、53.3cm連装魚雷発射管を2基装備していました。

同型艦一覧

前期型
ミランダ (HMS Miranda)
マイノス (HMS Minos)
マンリィ (HMS Manly)

後期型
ムーン (HMS Moon)
モーニング・スター (HMS Morning Star)
マウンジー (HMS Mounsey)
マスケティアー (HMS Musketeer)
ニリッサ (HMS Nerissa)
リレントリス (HMS Relentless)
ライヴァル (HMS Rival)

参考文献

[参考文献リストはここに記載する予定です]

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