ユタ準州
ユタ準州の歴史
ユタ準州（英: Utah Territory）は、1850年9月9日から1896年1月4日までアメリカ合衆国に存在した準州です。この地域は、1850年に連邦議会で認可された基本法に基づいて創設されました。この日、カリフォルニア州が州として認められたこともあり、ユタ準州の設立は奴隷州と自由州の力のバランスを保つための1850年妥協の一環として行われました。
ユタ準州の領域は、主にグアダルーペ・イダルゴ条約によりメキシコから取得されたもので、1847年からソルトレイク渓谷に移住したモルモン教徒の開拓者たちからの請願の結果でもありました。ブリガム・ヤングの指導の下、彼らはデザレット州としての加盟を要請しました。この提案ではソルトレイクシティを州都に据え、広範囲にわたる地理的領域を含んでいました。1849年には州憲法案が策定され、デザレットの政府がグレートベースンにおいて事実上機能していました。
1851年2月9日にブリガム・ヤングは初代知事に就任し、同年10月には準州議会が初会期を迎えました。これにより、合衆国の他の地域からの議論が生じました。特に、モルモン教徒による一夫多妻制に関するセンセーショナルな報道が、モルモン教徒への偏見を助長しました。彼らがグレートソルト湖盆地に移住した背景には、東部での失敗した開拓地設立の経験が影響しています。
ユタ準州の住人の大多数はモルモン教徒でしたが、次第に非モルモン教徒も西部へ進出するようになりました。1861年、これを受けて準州西部にネバダ準州が設けられ、同年内に準州東部の大部分は新たに設立されたコロラド準州に組み込まれました。
さらに、1869年にはカリフォルニア州と東部からの鉄道が通じましたが、モルモン教徒にとってはあまり恩恵とは見なされませんでした。プロモントリー・サミットで行われた大陸横断鉄道開通式では、準州役人たちが外部からの干渉を懸念し、この儀式をボイコットする事態となりました。
ユタ準州がモルモン教徒の影響下に置かれていたことは、1896年の州昇格までの46年間を通じた議論の大きな要因とされています。対して、ネバダ準州は1864年に州となることが認められました。この早期の州昇格は、連邦政府がネバダの銀鉱脈を維持強化しようとしていたことによるものです。
ユタ準州は1896年に正式に州へと昇格し、以降はユタ州として知られるようになりました。その歴史は、モルモン教徒の開拓精神とアメリカ合衆国の西部開発の中での役割の象徴的存在を今に伝えています。
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