コロラド準州

コロラド準州：激動の時代を駆け抜けたアメリカ合衆国の自治的領域

コロラド準州は、1861年2月28日から1876年 8月1日まで存在した、アメリカ合衆国の自治的領域、すなわち準州でした。その領域は現在のコロラド州と同一です。1858年から1861年のパイクスピーク・ゴールドラッシュをきっかけに組織化され、地域内に最初の白人開拓者が殺到しました。準州を創る基本法は、1861年2月28日にアメリカ合衆国議会で成立し、ジェームズ・ブキャナン大統領が署名しました。この時期は、南北戦争に参加した南部州による脱退が起こっていた時期と重なります。準州の創設によってロッキー山脈の鉱物資源が豊富な地域に関わる合衆国の支配を強固にしました。

コロラド準州の成立

コロラド準州は、ロッキー山脈の大陸分水界の両側にある土地から組織化され、パイクスピーク・ゴールドラッシュの地域を取り込みました。大陸分水界の東では、カンザス準州の一部、ネブラスカ準州の南西部、ニューメキシコ準州のリオグランデ川水源にあたる地域を含み、大陸分水界の西では、ユタ準州東部の多くを取り込みました。東部平原はシャイアン族やアラパホ族、ポーニー族、コマンチェ族およびカイオワ族が支配していました。1861年、アラパホ族とシャイアン族は平原の土地を白人開拓者に渡すことで合衆国と合意しましたが、集落近くでの共存も認められました。しかし、1865年に南北戦争が終わるまでに、先住民族はハイプレーンズからほとんど姿を消しました。

準州の歴史

コロラド準州となった領域は、1803年のルイジアナ買収および1848年のメキシコ割譲地によってアメリカ合衆国支配権下に入りました。元々、この土地には主に東部平原のシャイアン族とアラパホ族、ロッキー山脈のユト族が住んでいました。

ヨーロッパ系の探検者では、フランシスコ・バスケス・デ・コロナドが初期にこの地域を訪れましたが、遠征隊はコロラドの南部と南東部の境界となる地域に入っただけでした。1776年には、フランシスコ・アタナシオ・ドミニゲスとシルベストル・ベレス・デ・エスカランテがコロラド南部を探検しました。また、ゼブロン・パイク、スティーブン・H・ロング、ジョン・C・フレモント、ジョン・ウェズリー・パウェルなどもこの地の探検を行いました。

18世紀の初期、サウスプラット川上流は毛皮交易業者が侵入していましたが、恒久的な開拓地はありませんでした。1854年のカンザス・ネブラスカ法と共に、ホームステッド法による土地の所有権登録が認められ、元毛皮業者達が開拓者として戻ってきました。1858年には、アントワーヌ・ジャニスやその他ララミー砦から来た罠猟師達がキャッシュ・ラ・プードル川沿いに町を築きました。

1858年、グリーン・ラッセルとジョージア人の集団がサウスプラット川の金の話を聞いて、採鉱キャンプを設立しました。ラリマーは事業化の機会だと考え、オーラリアからチェリークリークに跨る地域の所有権を登録し、そこを「デンバー」と名付けました。ラリマーは新しい町を発展させて熱心な採鉱者に不動産を売ることを望みました。翌年の春までにサウスプラット川沿いに鉱山師が殺到し、これがコロラド・ゴールドラッシュと呼ばれるようになりました。

準州の願望と南北戦争

デンバーやゴールデンの市民は、町が設立されてから1年以内に新しく開拓された地域の準州化を要求しました。1859年にはジェファーソン準州を設立する非公式運動が始まり、アメリカ合衆国議会に請願書が送られました。連邦議会は市民達の要求を認め、1861年2月28日に準州は正式に組織化されました。

南北戦争の間、新しい鉱山師が準州内に入ってくる波は弱まりましたが、準州内に留まったコロラド人は志願兵連隊と州兵隊を結成しました。1862年には南軍の侵略を阻止する重要な局面を迎え、コロラド人部隊がグロリエタ峠の戦いで南軍を破りました。

コロラド戦争と州昇格への動き

1851年のララミー砦条約により、アメリカ合衆国はシャイアン族とアラパホ族にコロラド地域の支配を認めましたが、ゴールドラッシュとホームステッド農民の侵入によって、合衆国市民と先住民の関係が悪化しました。1864年にはサンドクリークの虐殺が起こり、議会合同委員会によって査問が行われました。南北戦争の終結後、州昇格の動きが起こりましたが、アンドリュー・ジョンソン大統領に拒否権を発動されました。その後、ユリシーズ・グラント大統領が州昇格を提唱し、1876年にコロラドは合衆国の州として昇格を認められました。

コロラド準州の準州都は、コロラドシティ、ゴールデンシティ、デンバーと変遷しました。準州政府は実際に独自の政庁舎を持たず、建物を借りて過ごしました。現在、準州政府に使われた建物が残っています。

コロラド準州は、ゴールドラッシュ、南北戦争、先住民族との紛争、そして州昇格という激動の時代を駆け抜けた、アメリカ合衆国の歴史において重要な役割を果たした地域でした。

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