ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社：首都圏スーパーマーケットの連携とデジタル化戦略

2015年設立のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社（U.S.M.H）は、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社が経営統合した共同持株会社です。イオン系列に属し、東証スタンダード市場にも上場しています。

首都圏スーパーマーケット連合としての位置づけ

U.S.M.Hは「首都圏におけるスーパーマーケット連合」として設立されました。3社統合時点ですでに1都6県に479店舗を展開し、売上高は6439億円に達していました。しかし、今後の成長目標として売上高1兆円、1000店舗体制を掲げていることから、3社のみでは達成が困難と判断し、首都圏の他スーパーとの連携も視野に入れています。

自主自立経営と経営効率化

各社の自主性を尊重し、店舗ブランドは維持しつつ、商品開発、物流、システム、店舗開発、本部機能の集約などを進め、経営の効率化を図る戦略を取っています。

デジタル技術を活用した革新

2019年からは、スマートフォンを活用したデジタルプラットフォームの開発に着手し、グループ傘下企業への導入を進めています。具体的には、ネットスーパー、スマートフォン決済サービスなどの導入を進めており、その技術はイオングループ内にも展開されています。

主要なデジタルサービス

U.S.M.H公式モバイルアプリ（現：Scan&Go Ignica）：スマートフォンのカメラを使った商品登録とキャッシュレス決済機能を提供するアプリです。2019年から順次導入され、イオングループ内にも展開されています。
U.S.M.Hオンラインデリバリー（現：Online Delivery Ignica）：スマートフォンアプリを通じて注文できる食品宅配サービスです。店舗での受け取りや自宅への配送に対応しています。
イグニカサイネージサービス：AIデジタルサイネージを活用した広告配信・マーケティングサービスで、グループ店舗への導入が進んでいます。
ignica money：Scan&Go Ignicaの付随サービスとして提供されている現金チャージ専用プリペイド電子マネーです。スマートフォン以外での利用も可能になりました。

沿革

U.S.M.Hの設立から現在までの主な出来事を以下に示します。

2014年: マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の経営統合を発表。イオンマーケットインベストメント株式会社（イオンと丸紅の合弁会社）がU.S.M.Hの議決権の過半数を保有。
2015年: 株式移転および東証一部上場。
2016年: グループ内での商品券相互利用を開始。
2017年: 独自のプライベートブランド「eatime」を立ち上げ。
2019年: スマートフォン決済サービス「U.S.M.H公式モバイルアプリ」の導入開始。
2020年: ウエルシアホールディングスとの共同調達契約締結。ネットスーパー「U.S.M.H オンラインデリバリー」開始。
2021年: ネットスーパーのイオングループ内展開開始。
2022年: 東証スタンダード市場へ移行。スマートフォン決済サービスのイオングループ内展開開始。
2023年: 「Scan&Go Ignica」に現金支払い対応開始。「ignica money」の本格運用開始。みんなの銀行とのAPI連携開始。
2024年: いなげやを完全子会社化する予定。

今後の展開

U.S.M.Hは、デジタル技術を活用したサービスの拡充、グループ内連携の強化、さらなる事業拡大を通じて、首都圏におけるスーパーマーケット業界のリーダーを目指しています。いなげやの完全子会社化も、その戦略の一環と言えるでしょう。

関係会社

イオン傘下の他スーパーマーケットとの関係性も注目されます。イオンは、U.S.M.H以外にも、ベルクなどのスーパーマーケットを傘下に抱えています。今後、U.S.M.Hがどのようにこれらの会社と連携していくのか、注目されます。

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