ユニアヌス・ユスティヌス

マルクス・ユニアニウス（もしくはユニアヌス）・ユスティヌスは、生没年不詳のローマ帝国の歴史家であり、ラテン語で著述を行いました。

生涯と業績

ユスティヌスについて確かなことは、彼の名前が歴史書のタイトルに記されていることのみで、詳しい経歴は不明です。彼の著作『ピリッポス史（Historiarum Philippicarum libri XLIV）』、邦訳では『地中海世界史』として知られています。この書物は、ポンペイウス・トログスがアウグストゥスの時代に著した長編『Historiae philippicae et totius mundi origines et terrae situs』から、特に重要で興味深い部分を要約したものであると、ユスティヌス自身が序文で述べています。

ユスティヌスの生きた時代は特定されていませんが、トログスの後であることは確かです。彼は「世界がローマ人とパルティア人で二分されている」と記述しており、この状況はおそらくトログスの時代を反映していると考えられます。3世紀以降のサーサーン朝の興隆後では、この記述は時代にそぐわなくなります。ラテン語の変化は緩やかであったものの、ユスティヌスの言葉遣いは2世紀頃のものと推測されています。ロナルド・セイムは、彼が『ローマ皇帝群像』が編纂された直前の390年頃に生きていたと主張しています。

トログスの原文は現存していませんが、プリニウスをはじめとする著述家によって、内容に関する議論や『prologi』が記録されています。トログスの著書は主にマケドニア王朝の歴史と興隆を扱っていましたが、ユスティヌスは独自の解釈を加え、単なる要約ではなく、自由な選集として再構成しました。

ブリタニカ百科事典第11版では、ユスティヌスの歴史書は貴重な情報を含んでおり、文体は完璧とは言えないものの、明瞭で洗練されていると評価されています。中世において広く読まれたものの、著者名がしばしばユスティノスと混同されていたようです。

参考文献

『地中海世界史』 ポンペイウス・トログス／ユスティヌス、合阪學 訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、1998年。

外部リンク

Justin in Latin - ラテン図書館
* Latin text - ルーヴェン・カトリック大学より

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