ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ

ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ：音楽出版業界の巨人

ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ（UMPG）は、世界を代表する大手音楽出版社です。ユニバーサル ミュージック グループ（UMG）の一員として、膨大な楽曲カタログとグローバルなネットワークを駆使し、音楽業界において重要な役割を担っています。ソニー・ミュージックパブリッシングに次ぐ世界第2位の規模を誇り、300万曲以上の楽曲を管理、30ヶ国以上に拠点を展開するその規模は、音楽出版業界におけるUMPGの圧倒的な存在感を示しています。

歴史：買収と合併による成長

UMPGの前身はMCAミュージック・パブリッシングでした。シーグラムによるポリグラム買収（1998年）とMCAレコードとの合併（1999年）を経て、UMGが誕生。この合併には両社の音楽出版社も含まれ、UMPGはポリグラムの楽曲カタログ、とりわけディック・ジェームズ・ミュージックやウェルク・ミュージック・グループといった著名な出版社の楽曲を継承することとなりました。MCAは1964年、リーズ・ミュージック・コーポレーションを買収したことをきっかけに音楽出版事業に参入しており、UMPGの基盤は古くから築かれていたと言えるでしょう。

2000年にはロンドール・ミュージック・パブリッシングを買収、A&Mレコードやアイ・アール・エス・レコードなどの楽曲カタログもUMPGのものとなりました。この買収は、UMPGの楽曲数に6万曲もの著作権を追加するという大きな転換点となりました。

UMPGの飛躍的成長を決定づけたのが、2006年のBMGミュージック・パブリッシングの買収です。当時世界第3位の音楽出版社だったBMGの買収により、UMPGは世界最大の音楽出版社へと躍り出ました。この買収には、デュラン・デュランやリコルディといった著名アーティストの楽曲が含まれており、UMPGの楽曲カタログはさらに充実したものとなりました。ただし、この買収に伴い、ゾンバUKなど一部のカタログを新会社（現在のコンコルド・ミュージック・グループの一部門）へ売却しています。

その後もUMPGは成長を続け、2013年にはクライテリオン・ミュージック・コーポレーションを買収。2015年にはジョディ・ガーソンがCEOに就任、大手音楽出版社を率いる初の女性CEOとなりました。ガーソン氏は、その功績によってビルボード誌の『Women in Music』号でエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーに選出されています。

管理楽曲：幅広いジャンルと著名なアーティスト

UMPGはロンドール・ミュージック・カタログ6万曲を含む、多岐にわたる楽曲を管理しています。インタースコープ、デフ・ジャム、ワイルドブレインといった主要レーベルからの楽曲に加え、Amazonスタジオ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、HBO、パラマウント・グローバル（CBSとShowtimeを除く）、ワーナー・ブラザース、ディズニー・ミュージック・グループなど、映画、テレビ制作会社からも楽曲を管理しています。さらに、レナード・バーンスタインやヘンリー・マンシーニといった巨匠の楽曲も含まれており、その幅広さはUMPGの強みとなっています。

グローバルな展開

UMPGは世界中に拠点を持ち、グローバルなネットワークを構築しています。オーストラリア・ニュージーランドではシドニーに拠点を置き、日本法人も設立されています。各国の音楽市場に精通した専門家たちが、それぞれの地域の音楽文化に合わせた戦略を展開することで、UMPGは世界規模での成功を収めています。

まとめ

UMPGは、数々の買収と合併、そしてグローバルな展開を通じて、世界有数の音楽出版社へと成長しました。多様な楽曲カタログ、強力なネットワーク、そして才能ある人材によって、UMPGは今後も音楽業界をリードし続けることでしょう。

もう一度検索