ユーノス・プレッソ

マツダ・プレッソ：コンパクトボディに秘めたV6エンジンの魅力

マツダ・プレッソは、1991年から1998年までマツダのユーノスチャンネルで販売されていたハッチバッククーペです。姉妹車であるオートザムAZ-3と共に、個性的なデザインとパワフルなエンジンで人気を博しました。

世界最小V6エンジン搭載のコンパクトカー

プレッソの最大の特徴は、コンパクトなボディに搭載されたV6エンジンです。発売当初は世界最小のV6エンジンとして注目を集め、その優れた動力性能とスポーティな走りは多くのドライバーを魅了しました。しかし、その後三菱自動車から1.6L V6エンジン搭載車が発売されたことで、その座を譲ることになります。

デザインと走りの融合

プレッソのデザインは、当時としては非常に先進的で、目を引くスタイリッシュなフォルムが特徴です。リアウインドウの3次曲面など、細部にもこだわりが感じられます。エクステリアデザインは、アルファロメオ・カングーロのデザインに影響を受けていると言われています。AZ-3との外観上の違いは、エンブレム程度と非常に類似性が高い車種でした。

グレードとエンジンバリエーション

当初は1.8L V6エンジンのみのラインナップでしたが、1993年には1.5L直4エンジンが追加されました。V6エンジン搭載車は、1993年のマイナーチェンジで最高出力が向上し、さらにハイオクガソリン仕様となりました。グレードはHi-X、Fi-X、最上級グレードのFi-X SVが設定され、Fi-X SVには高級オーディオやビスカスLSDなどが装備されていました。

販売と生産終了

プレッソは、ユーノスチャンネルで発売された後、1996年にはユーノスチャンネルの廃止に伴い、マツダアンフィニ店で販売されるようになりました。1998年にはAZ-3と共に生産終了となり、その後は流通在庫のみの販売を経て、販売終了となりました。後継車種は存在せず、事実上の後継車種としてロードスターが挙げられます。総生産台数はAZ-3を含めて22万64台に上ります。

開発と販売戦略

プレッソは、三菱自動車から移籍した荒川健氏をチーフデザイナーに迎え、開発されました。ユーノス500と並行して開発されたモデルであり、当時のマツダの技術力とデザインセンスを結集した一台と言えるでしょう。また、ヨーロッパ市場でも「MX-3」として販売され、大きな成功を収めました。日本国内以外ではカナダ市場では「MX-3 Precidia」、オーストラリア市場では「ユーノス・30X」として販売されました。車名はイタリア語で「仲間」を意味する「presso」からきており、ドライバーにとっての相棒となることを願って名付けられました。

アフターパーツと改造

プレッソは生産終了後も根強い人気があり、アフターパーツも多く存在します。特に、BG系ファミリアと車台が共通していたため、足回りやシートレールなどはファミリア用が流用可能でした。また、1.5Lエンジン搭載車については、駆動系や排気系なども流用可能であったため、改造の幅が比較的広かったと言えるでしょう。ただし、V6エンジンのアフターパーツは限られていました。

まとめ

マツダ・プレッソは、コンパクトなボディにV6エンジンを搭載した個性的なハッチバッククーペとして、多くのドライバーに愛されたモデルです。スポーティなデザインと優れた走りは、現在でも多くのファンを魅了し続けています。その短い販売期間にも関わらず、独特の存在感を放ち続けるプレッソは、マツダの歴史の中でも重要なモデルの一つと言えるでしょう。

もう一度検索