ユーロコプター EC 145

EC 145の概要

EC 145は、エアバス・ヘリコプターズによって生産されている中型双発の多目的ヘリコプターです。この機体は、ユーロコプターのブランド名の一環として位置付けられていますが、実際の型式名称はBK117として認証を受けています。BK117は、ダイムラー・ベンツのMBB社と川崎重工業が共同で開発したもので、ユーロコプターへの転換後もその名は受け継がれています。EC 145の開発が進む中で、BK117のC-2型が量産される一方、EC 145の名称が正式に使用されるのは、それ以後のモデルからです。

開発の経緯

EC 145の開発は、ユーロコプターと川崎重工業の協力によるもので、BK117 C-2の型式証明を得た後、1997年にフランスで32機の発注が行われました。初飛行は1999年に実施され、2000年にはアメリカのヘリコプターショーで披露されています。試作機は川崎重工岐阜工場で生産され、その後、ユーロコプターがEC 145としての認証を取得しました。

開発にあたり、両社は生産や販売を独立して行うことに合意しており、ユーロコプターが主回転翼や操縦装置の60%、川崎重工業が胴体構造や電気系統の40%を担当しています。この協力関係により、EC 145は高い性能と信頼性を持つ機体に仕上げられました。2014年からはH145と改称され、より新しいモデルが展開されています。

機体の特長

EC 145の特徴としては、BK117 C-1に比べて拡大したキャビンを挙げることができます。これにより、乗員数が最大9名、2名の操縦士を含む形で輸送できるようになっています。また、機体構造には複合材が使われ、最大離陸重量の増加と航続距離の向上が実現しました。

エンジンには、当初はチュルボメカ アリエル 1E2ターボシャフトを搭載し、その後、改良型のアリエル 2Eに切り替えられています。また、無関節ロータヘッドを用いることで、静粛性が向上し、運用の際の騒音が大幅に減少しました。

派生型と最新技術

EC 145の派生型としては、EC 145 T2やEC145eが存在します。さらに、独立飛行を可能にするOptionally piloted vehicle（OPV）の開発も進められています。EC 145 OPVでは、自動操縦の機能が強化され、緊急時には自動的に着陸を行うことができるように設計されています。

新たに発表されたEC 145eは、軽量化とコスト削減を目指したモデルであり、幅広い業務に対応可能です。また、EC 145には様々なオプションが提供されており、救急医療や捜索救助など、多様な用途に応じたカスタマイズが可能です。

採用国と用途

このヘリコプターは、多くの国で軍民両方の用途で採用されています。特に、軍用型のH145Mは、偵察や救急搬送、兵員輸送などの任務に使用される他、武装型も開発されています。これにより、EC 145は世界中の航空機市場で重要な役割を担っています。

結論

EC 145は、その高い性能と多目的性から、航空機市場での重要な存在となっています。ユーロコプターおよび川崎重工公が共同で展開するこのモデルは、今後も技術革新を続け、多くの国での安全な空の移動に寄与することでしょう。

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