ユーロビジョン・ソング・コンテスト1964

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1964

第9回ユーロビジョン・ソング・コンテストは、1964年3月21日にデンマーク・コペンハーゲンのチボリコンサートホールで開催されました。プレゼンターはロッテ・ウェーバーが務め、音楽監督はカイ・モーテンセンが担当しました。しかし、この大会のオリジナル記録映像は、DR（デンマーク放送協会）の火災により焼失し、現存していません。

大会の概要

• - 開催日: 1964年3月21日
• - 開催地: デンマーク・コペンハーゲン
• - プレゼンター: ロッテ・ウェーバー
• - 音楽監督: カイ・モーテンセン
• - 放送時間: 1時間30分
• - 製作: DRデンマーク放送協会

参加国

16ヶ国が参加し、ポルトガルが初出場を果たしました。しかし、当時のポルトガルとスペインは軍事政権下であり、会場に「フランコ、サラザール反対!」を叫ぶ男が乱入する騒ぎが発生し、大会は一時中断を余儀なくされました。スウェーデンは出場歌手がボイコットを表明し参加を見送りましたが、SRスウェーデン・ラジオ&テレビは中継放送を中止しませんでした。

この大会からグループ参加が認められ、スペイン代表が3人組グループで出場しました。オランダは、旧植民地だったインドネシア出身のアンネケ・グレンロを代表として選出し、初めての非ヨーロッパ系の歌手の出場となりました。また、オーストリア代表のウド・ユルゲンスは弾き語り用のピアノを配した最初の出場者となりました。

投票方式

投票方式が変更され、各国審査員が各20名で持ち点は各人9点。お気に入り3曲に配分するというもので、配分方法は、5-3-1でも6-3-0、9-0-0でも良かった。各放送局は、その得点を集計し順位を決定。1位=5点、2位=3点、3位=1点として会場に連絡しました。1国の持ち点が僅か9点で、投票先も3ヶ国に絞られるため、集計結果の明暗は大きく分けられることになりました。

結果

優勝はイタリアのジリオラ・チンクェッティが歌う「夢みる想い」でした。ベルギー、ユーゴスラビア、ポルトガル、イギリス、オーストリア、フィンランド、ルクセンブルク、オランダの8ヶ国が5点を投じました。会場での反響があまりにも大きかったため、歌唱後ジリオラが観衆に挨拶する時間が特別に与えられました。これは大会史上唯一のことでした。

同曲はサンレモ音楽祭でも優勝しており、二冠となりました。また、英語版、フランス語版、スペイン語版、ドイツ語版、日本語版も録音・レコード発売されヒットし、商業的にも大成功を収めました。

その一方、無得点国が4ヶ国出ました。その一つが、ボイコット騒ぎの原因となったポルトガルでした。それに、ドイツ、ユーゴスラビア、スイスが加わりました。スペインは、イタリアが1点を投じたため、かろうじて最下位を回避することができました。

特記事項

• - ポルトガルの初出場と政治的騒動
• - スウェーデンの出場辞退
• - グループ参加の容認
• - 初の非ヨーロッパ系歌手の出場
• - 投票方式の変更
• - イタリア代表の優勝と国際的な成功

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