ユーロビジョン・ソング・コンテスト1972

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1972：第17回大会の詳細

[1972年]]3月25日、スコットランドの首都エディンバラにあるアッシャー・ホールで、第17回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。この大会は、英国放送協会]が制作を担当し、女優のモイラ・シアラーが[[英語とフランス語を巧みに操り、プレゼンターを務めました。

音楽監督はマルコム・ロッキャーが担当しましたが、イギリス代表の楽曲の指揮はデヴィッド・マッケイが特別に担当しました。また、フランスのフランク・プゥルセルは、今回で14回目の音楽監督としての参加となりました。

開催の経緯：モナコからエディンバラへ

通常、ユーロビジョン・ソング・コンテストは前年の優勝国が開催を担当します。しかし、1971年に優勝したモナコは、財政的な問題と適切な会場設備の不足から、この貴重な機会を逃すことになりました。当初、モナコの放送局であるTMCは開催に意欲を見せていましたが、必要な設備と資金が不足していたため、フランス国営放送ORTFに協力を要請しました。しかし、この交渉が不調に終わり、開催を断念せざるを得ませんでした。

[欧州放送連合]は、次に、2位のスペインと3位のドイツに開催を打診しましたが、両国も辞退。結果として、4位のBBCが開催を引き受けることになりました。イギリスでの開催は今回で4回目でしたが、イングランド以外での開催は、この1972年大会が唯一の例となっています。

参加国と放送ネットワーク

今大会には、18ヶ国が参加しました。さらに、衛星放送やケーブルテレビを通じて、アイスランド、ギリシャ、イスラエル、ブラジル、日本、香港、台湾、フィリピン、タイを含む10ヶ国に配信され、合計28カ国で視聴することができました。

大会初の試み：ビッグヴィジョンの導入

この大会では、会場の左手壁面に演目が拡大投影されるという、大会史上初のビッグヴィジョンが導入されました。これにより、観客はより臨場感あふれるパフォーマンスを楽しむことができました。

投票方式

投票方式は前年からの変更はなく、各国から選出された2名の審査員（16歳から25歳の若者1名と、26歳から55歳までの大人1名）が、各楽曲を5段階で評価し、その結果を集計するというものでした。ただし、審査員は会場内ではなく、1km離れたエディンバラ城の大ホールで中継を視聴し、審査を行いました。

優勝はルクセンブルク代表：ヴィッキーの「想い出に生きる」

1972年大会の優勝は、ルクセンブルク代表のヴィッキーが歌う「想い出に生きる」でした。この楽曲は、作詞を担当したイヴ・ドスカが前年の優勝曲「明日に夢見て」も手掛けており、2年連続で優勝曲を作詞した初のライターとなりました。

「想い出に生きる」は、英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ギリシャ語、日本語など、多言語で録音され、フランス、スイス、ベルギー、オランダ、南アフリカで1位を獲得。全英シングルチャートでは2位、北欧各国でもトップ10入りを果たし、マレーシアでも8位を記録するなど、世界中で600万枚を売り上げる大ヒットとなりました。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1972：記憶に残る大会

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1972は、モナコでの開催断念という異例の事態から、エディンバラでの開催、そしてルクセンブルク代表の楽曲の世界的な大ヒットまで、多くの話題に彩られた記憶に残る大会となりました。

もう一度検索