ユーロビジョン・ソング・コンテスト1985

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1985：北欧の地で生まれたドラマ

1985年5月4日、スウェーデンのヨーテボリにあるスカンジナヴィアムにて、第30回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。スウェーデン・テレビ(SVT)が制作を担当し、2時間45分にわたる華やかな祭典は、ヨーロッパ全土を熱狂の渦に巻き込みました。

リル・リンドフォースのプレゼンテーションとハプニング

プレゼンターを務めたのは、スウェーデン出身の女優リル・リンドフォース。彼女は番組の進行をほぼ英語で行い、フランス語の使用は投票の確認時のみに限定しました。オープニングでは、30周年を記念した楽曲「My Joy is Building Bricks of Music」を披露し、会場を盛り上げました。しかし、彼女の名前がヨーロッパの視聴者に最も強く記憶されたのは、投票前に起こったアクシデントでした。なんと、彼女のスカートの裾がセットに引っかかり、脱げてしまうというハプニングが発生したのです。

初めて販売されたリハーサル・チケット

この大会では、公開リハーサルのチケットが初めて販売されました。これにより、より多くのファンが舞台裏の様子を垣間見ることができ、大会への期待感が高まりました。

参加国と投票方法

イスラエルとギリシャが復帰する一方で、オランダとユーゴスラビアが不参加となり、最終的に19ヶ国が参加しました。オランダは戦没者追悼記念日、ユーゴスラビアはチトー元帥の命日を理由に不参加を選択しました。

投票方法は例年通りで、各国の審査員が他国の楽曲の中から気に入った10曲を選び、順位をつけて投票しました。1位には12点、2位には10点、以下8点から1点が与えられます。各国のスポークスマンが国際電話を通じて投票結果を読み上げ、プレゼンターが復唱確認した後、スコアボードに加算されました。

ノルウェー初優勝の瞬間

投票は接戦となり、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーが首位を争う展開となりました。最終的には、ノルウェー代表のボビーソックスが悲願の初優勝を飾りました。フィンランド出身のリル・リンドフォースは、「何度も最下位だったノルウェーが優勝したことを私は嬉しく思う」とコメントし、会場は祝福の歓声に包まれました。

各国への12点

スイス → アイルランド
アイルランド → イギリス
イスラエル → ドイツ
フィンランド → スウェーデン
ノルウェー → イギリス
ドイツ → イスラエル
キプロス → ギリシャ
デンマーク → ノルウェー
スペイン → ドイツ
フランス → イギリス
ポルトガル → イギリス
スウェーデン → アイルランド
オーストリア → イスラエル
ベルギー → フランス
トルコ → フランス
イギリス → フィンランド
ギリシャ → キプロス
ルクセンブルク → ノルウェー
* イタリア → ポルトガル


ユーロビジョン・ソング・コンテスト1985は、数々のドラマと感動に彩られた、記憶に残る大会となりました。

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