ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023:リバプール大会の詳細



ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023(第67回)は、2023年5月にイギリスのリバプールで開催されました。この大会は、準決勝が5月9日と11日に、決勝が5月13日に行われ、37か国が参加しました。

大会結果とハイライト



スウェーデンのロリーンが「Tattoo」を歌い、見事優勝を果たしました。これはスウェーデンにとって2015年以来8年ぶり7回目の優勝であり、ロリーン自身も2012年大会以来11年ぶりの優勝となりました。また、ソロ歌手および英語詞の楽曲による優勝は、2019年大会のダンカン・ローレンス(オランダ)以来4年ぶりとなります。

欧州放送連合(EBU)の発表によると、2023年大会の視聴者数は1億6200万人に達し、決勝の視聴率は全域で40.9%を記録しました。特に15歳から24歳の年齢層では53.5%という高い視聴率を誇りました。参加国別に見ると、アイスランドが98.7%と最も高く、次いでノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧諸国が上位を占めました。開催国イギリスは63%、ウクライナは19.7%でした。

さらに、公式パートナーであるTikTokでは、3つのショーの生中継が480万回視聴され、EBUの公式YouTubeチャンネルでは決勝の生中継が760万人に視聴されました。準決勝の生中継も320万回を超える視聴回数を記録しました。また、今回の大会では史上初めて非参加国からの投票が可能となり、参加国37か国以外に、チリ、コソボモンテネグロ北マケドニアアメリカ合衆国の視聴者が投票に参加しました。特にアメリカ合衆国カナダコソボからの投票が多かったことが特徴です。

開催までの経緯



2022年大会でウクライナが優勝したため、本来はウクライナが2023年大会の主催国となるはずでした。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を考慮し、EBUは安全上の理由からイギリスでの開催を決定しました。ウクライナが主催権を返上するのは、1980年大会以来のことです。

イギリスでの開催が決まった後、多くの都市が開催に興味を示しましたが、最終的にリバプールが選ばれ、リバプール・アリーナが会場となりました。

大会ルールと変更点



2023年大会では、投票システムに大きな変更がありました。準決勝の結果は視聴者投票のみで決定されるようになり、決勝では審査員票と視聴者票が50/50の割合で集計される従来の方法が採用されました。また、非参加国の視聴者も投票できるようになったことが、大きな変化と言えます。

非参加国からの投票は集計され、1つの参加国として扱われます。これにより、最終結果にわずかながら影響を与えることになります。ただし、投票できる国は大会の運営委員会の規定を満たす国に限られ、安全なプラットフォームで投票を行う必要があります。

また、新型コロナウイルス感染症の流行下での開催のため、バッキングボーカルの事前録音が引き続き許可されました。

出場国



合計37か国が出場しました。北マケドニアモンテネグロ、ブルガリアは財政的な理由により不参加となりました。また、過去に参加していたアンドラ、ルクセンブルク、モナコ、スロバキア、ボスニア・ヘルツェゴビナも不参加を表明しました。コソボカザフスタンは出場を希望していましたが、最終的に出場国リストには含まれませんでした。

ポストカード



各国のポストカードは、ウクライナイギリス観光地の映像を映した後、参加アーティストが自国で同じテーマの観光地にいる映像を映す構成でした。音楽はウクライナ作曲家ドミトロ・シュロフが担当しました。

準決勝と決勝



準決勝1は5月9日に開催され、フランス、ドイツ、イタリアが投票しました。準決勝2は5月11日に開催され、スペイン、イギリスウクライナが投票しました。決勝は5月13日に開催されました。

論争と出来事



大会の結果、スウェーデンが審査員票を多く獲得し、視聴者票で1位だったフィンランドを上回って優勝したことに、多くのファンが不満を表明しました。特に、審査員と視聴者の好みが大きく異なることが浮き彫りになり、今後の審査員票の取り扱いについて議論が起こっています。

また、フランス代表のラ・ザッラが、結果発表中にカメラに向かって中指を立てる仕草を見せたことが、フランス国内で批判を浴びました。彼女は後に自身の文化では失望を表すジェスチャーだと弁解しました。

結論



ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023は、さまざまな面で変革が見られた大会でした。視聴者数の増加や非参加国の投票の導入、審査員票と視聴者票の乖離など、多くの議論を呼び起こす結果となりました。今後の大会がどのように変化していくか、注目されます。

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