ヨアキム・ボニエ

ヨアキム・ボニエ: スウェーデンの偉大なレーサー

ヨアキム・ボニエ（Joakim "Jo" Bonnier、1930年1月31日 - 1972年6月11日）は、スウェーデンに生まれた著名なレーシングドライバーです。彼は、F1やスポーツカーレースでの活躍により、モータースポーツ界でその名を残しました。彼はしばしばジョー・ボニエまたはヨー・ボニエとも表記されます。

初期の経歴

ボニエは、学者の家庭に生まれ、17歳からレーシングキャリアをスタートしました。最初は2輪レースやラリーの世界に入っていきました。彼は北欧特有の運転技術を活かし、特に氷上では驚異的な競技能力を発揮したと語られています。これにより、彼は早くから注目を集める存在となりました。

F1キャリア

1956年の終盤、イタリアGPでマセラティからF1デビューを果たしましたが、レース中にリタイヤしてしまいました。翌1957年もサーキットでの苦戦が続き、4戦に参加したものの3戦でリタイヤ、唯一完走したアルゼンチンGPでは7位という結果に終わりました。その後の1958年、プライベーターのマセラティから参戦するも成績は振るわず、再び挑戦を続けていましたが、BRMのワークスチームでの立場を得てからは明るい成果が見え始めました。特にモロッコGPでの4位入賞は、彼にとっての転機ともなりました。

1959年は、オランダGPでポールポジションを獲得し、そのまま優勝を果たしました。この勝利は彼自身、さらにはBRMにとっても初めての勝利となり、キャリアのハイライトとしても知られています。しかし、その後は成績は低迷し、1960年は2回の5位入賞に留まりました。1961年と1962年はポルシェから参戦し、どちらも入賞は限られたものでした。

1963年から1965年にかけては、名門プライベーターとして知られるロブ・ウォーカー・レーシングから出場し、1966年には自らチームを持つようになりますが、1971年にはF1を退くこととなりました。

スポーツカーレースの成功

ボニエはF1以前からスポーツカーレースでも活躍しており、1954年と1955年にはスウェーデンのツーリングカー選手権に参加しました。特に、1962年のセブリング12時間レースでのフェラーリ250TRによる勝利、1964年のランス12時間レースでの250LMでの優勝が印象的です。1966年のニュルブルクリンク1,000kmレースではフィル・ヒルと共にシャパラル・2Dで勝利を収めています。ル・マン24時間レースには1957年から参加し、最高位は1964年のグラハム・ヒルとのコンビで達成した2位でした。

悲劇的な事故

1972年のル・マン24時間レースでは、13回目の参加となりましたが、レース中に事故に遭い、T280コスワースが他の車に接触し、ガードレールを越えて木々に衝突。車両は炎上し、ボニエはその場で命を落としました。42歳という若さでの突然の死は、多くのファンに衝撃を与えました。

知性派としての評価

ボニエは、BRM時代においては知性派のドライバーとして名を馳せました。語学に堪能で、モータースポーツにおいてドライバーズ協会の会長としても尽力し、他のドライバーたちの権益を守るための活動を行いました。また、彼の息子はその名誉を称え、グラハム・ヒルの子供に名付けを行ったというエピソードもあります。

ホンダとの関係

彼はまた、ホンダとの関連もあり、1964年にはドイツGPにおいてホンダの参戦に反対意見を述べていましたが、1968年にはホンダからスペアカーを借り、最後のレースでの5位入賞を果たすという形で相互に貢献し合った歴史も持ちます。

ボニエのキャリアは多くの成果と悲劇に満ちたものであり、彼の名前はモータースポーツ史に深く刻まれています。

もう一度検索