ヨアヒム・フォン・コルツフライシュ

ヨアヒム・オットー・アウグスト・フォン・コルツフライシュ

ヨアヒム・オットー・アウグスト・フォン・コルツフライシュ（Joachim Otto August Achatius von Kortzfleisch, 1890年1月3日 - 1945年4月20日）は、ドイツの陸軍軍人であり、貴族の家柄に生まれました。第二次世界大戦中にはドイツ国防軍に勤務し、最終階級は陸軍歩兵大将にまで昇りつめました。

生い立ちと家系

コルツフライシュ家は、ヴェストファーレン地方を起源とする由緒ある貴族の家系です。ヨアヒムは、プロイセン陸軍の少将であった父グスタフ・フォン・コルツフライシュと、母エルスベト（旧姓Oppermann）の間に生まれました。

1921年11月17日には、プロイシッシュ・アイラウ郡のグート・ロッシェンにて、エーデルガルト・フォン・ザウケンと結婚しました。エーデルガルトは、同じく貴族であるザウケン家の一員であり、ロッシェンおよびゴムテネンの領主の娘でした。彼女の父ジークフリート・フォン・ザウケンは地主であり、母フリーダ・フォン・ホーレン男爵令嬢は、ホーエンヴァルデの貴族ホーレン家の出身でした。息子には、神学者のジークフリート・フォン・コルツフライシュがいます。

軍歴

ヨアヒムは将校として第一次世界大戦に従軍し、その勇敢さから一級および二級鉄十字章、忠勤従事章、戦傷章銀章、三級軍事功労十字章（戦時章付）など、数々の勲章を受章しました。戦後も軍に残り、1928年1月1日には少佐に昇進しました。1933年からはオッペルンの司令官を務め、1935年からは大佐としてドイチュ・アイラウの第3歩兵連隊長を務めました。1937年に少将に昇進した後、アレンシュタインの郷土軍司令官を数ヶ月務め、1938年2月、ブロンベルク罷免事件の影響で第1歩兵師団長に就任しました。1939年のポーランド侵攻では、第3軍に組み込まれた第1歩兵師団を率いて戦いました。

1940年3月初旬には中将に昇進し、第11軍団司令官に就任。西部戦線での戦功が認められ、8月には歩兵大将に昇進、9月には騎士鉄十字章を受章しました。1941年、第11軍団は南方軍集団の一部としてバルカンおよびロシア方面作戦に参加しました。1942年夏には一時的に第43軍団司令官を務め、1943年初頭には待機司令官（Führerreserve）に編入されました。

1943年3月、第3軍管区（ベルリン）司令官に就任。このことが、1944年の7月20日事件に深く関わるきっかけとなります。陰謀団からの圧力に晒されながらも、コルツフライシュはヴァルキューレ作戦に基づく指令を軍管区に伝達することを断固として拒否しました。この彼の行動が、結果的に反乱の失敗を決定的なものにしたと言われています。第3軍管区への警報伝達を担当した陰謀団メンバー、ロベルト・ベルナルディス中佐は後に絞首刑に処されました。

興味深いことに、陰謀団の主要メンバーであったクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐とフォン・コルツフライシュは、親族関係にありました。フォン・シュタウフェンベルクの従姉妹、オルガ・フォン・ユクスキュルが、ザウケン家のフレディ・フォン・ザウケンと結婚していたためです。1943年10月28日に挙げられた結婚式には、後に7月20日事件に関わることになる人物が多数出席していました。当時撮影された記念写真には、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク、ベルトルト・フォン・シュタウフェンベルク、ニコラウス・フォン・ユクスキュル＝ギレンバント、ペーター・ヨルク・フォン・ヴァルテンブルク、ツェーザー・フォン・ホーファッカーといった陰謀団のメンバーと共に、フォン・コルツフライシュと彼の妻の姿が確認できます。

1945年3月2日、ヴァルター・モーデル元帥指揮下のB軍集団のライン橋頭堡（Rheinbrückenköpfe）の指揮官となりますが、戦況は悪化の一途をたどり、連合国軍の包囲下に置かれることとなりました（ルール・ポケット）。1945年4月20日、フォン・コルツフライシュは一握りの将兵を率いて包囲の突破を試みましたが、シュマレンベルク・ヴルウェソート近郊でアメリカ軍の哨戒部隊と遭遇しました。アメリカ兵による降伏勧告に対し、フォン・コルツフライシュはナチ式敬礼を行い、降伏を拒否したため、胸を撃たれて死亡しました。

彼は聖ヨハネ騎士団の名誉騎士の称号を持っていました。

もう一度検索