ヨコハマボウル

ヨコハマボウル

ヨコハマボウルは、かつて日本のアメリカンフットボール界において特別な位置を占めていた、東西対抗形式の交流戦です。例年5月あるいは6月に、神奈川県横浜市の横浜スタジアムを舞台に開催されていました。国内の強豪チーム同士が顔を合わせる、まさに「ドリームゲーム」として多くのファンに親しまれていましたが、2008年を最後に開催は途絶え、2009年度以降、現在に至るまで中断しています。その理由は、公には明らかにされていません。

開催形式と特色

このイベントは、アメリカンフットボール専門誌「TOUCHDOWN誌」の協賛を得て、[特定非営利活動法人]であるフットボールジャパンが主催していました。対戦カードは固定されておらず、その年の状況に応じて、関東地方を拠点とするチームと関西地方を拠点とするチームが選ばれていました。大きな特徴として、大学チーム同士、社会人チーム同士の対戦はもちろんのこと、カテゴリーの垣根を越えて大学チームと社会人チームが対戦する機会もありました。この柔軟なマッチメイクにより、ライスボウルなどの主要大会では実現しえない、予測不能で魅力的なカードが実現することもありました。また、前年度の甲子園ボウルの再現となるような注目の対戦が組まれたり、日本大学と関西学院大学の定期戦のように、既存の東西大学間の定期戦や交流戦がヨコハマボウルの枠組みの中で開催されることもありました。

歴史的経緯

ヨコハマボウルの歴史は1987年6月14日に始まった第1回大会に遡ります。初期の段階、具体的には1999年5月30日に行われた第13回大会までは、主に関東および関西の大学アメリカンフットボール1部リーグに所属する有力校のみが招待され、東西大学対抗戦としての性格が強かったと言えます。しかし、翌2000年からは、日本の社会人アメリカンフットボールリーグに所属するチームも招待されるようになり、大学トップチームと社会人トップチームが同じ舞台で戦う機会が生まれ、大会の多様性と注目度が一層高まりました。

主な参加チーム

ヨコハマボウルとして開催された定期戦や交流戦を含め、2008年までの開催において、多くの大学・社会人チームが出場しました。中でも、関西学院大学ファイターズ、日本大学フェニックス、京都大学ギャングスターズ（OBを含む全京大としての出場もあり）はそれぞれ13回と最も多く招待されています。次いで、立命館大学パンサーズが9回、アサヒビールシルバースターと法政大学トマホークスが8回出場しています。その他、松下電工インパルス、慶應義塾大学ユニコーンズ、明治大学グリフィンズ（卒業生を含む全明治としての出場もあり）などが4回、専修大学グリーンマシーン、東海大学トライトンズが3回、早稲田大学ビッグベアーズ、鹿島ディアーズなどが2回、そして近畿大学デビルス、東京大学ウォリアーズ、帝京大学アサシンズといったチームも出場リストに名を連ねています。なお、2007年はワールドカップ壮行ゲームが実施されたため、単独チーム同士の対戦カードはありませんでした。

会場としての横浜スタジアム

ヨコハマボウルが開催された横浜スタジアムは本来野球場であるため、アメリカンフットボールの試合を行う際には独特の環境となりました。特にフィールドゴールやポイントアフタータッチダウンの際に、エンドゾーンの後方にはバックスクリーンやバックネットが存在することになり、キックの方向が通常のアメフト専用スタジアムとは異なる景観となりました。建設当初は、内野スタンドの一部を移動させることで、グラウンドに対して並行に向かい合うようにスタンドを配置できる機能も備えていたとされています。

メディア中継

ヨコハマボウルは、日本テレビが後援していたこともあり、テレビ中継も行われていました。地上波では日本テレビ系列で、原則として後日録画での放送でした。試合後の表彰式では、日本テレビのアナウンサーがインタビュアーを務めるのが常でした。また、CS放送では日テレG+でも中継され、より専門的な視点からの解説や、生中継に近い形での放送が行われることもありました。

かつては日本のフットボールシーズンの重要な一角を占め、東西の雄がぶつかり合う場として注目を集めたヨコハマボウルですが、その歴史は2008年で一旦幕を閉じ、現在再開の見通しは立っていません。

もう一度検索