ヨハン・カール (プファルツ＝ゲルンハウゼン公)

ヨハン・カール：プファルツ＝ゲルンハウゼン公、波乱の生涯

ヨハン・カール（1638年 - 1704年）は、プファルツ＝ビルケンフェルト家の一員であり、プファルツ＝ゲルンハウゼン公として知られています。彼はライン宮中伯、バイエルン公、フェルデンツ伯、シュポンハイム伯という称号を持ち、バイエルン公爵家の始祖となりました。

生い立ちと教育

ヨハン・カールは、プファルツ＝ビルケンフェルト＝ビシュヴァイラー公クリスティアン1世と、プファルツ＝ツヴァイブリュッケン＝フェルデンツ公ヨハン2世の娘マグダレーナ・カタリーナの間に、アルザス地方のビシュウィレーで生まれました。彼は兄クリスティアン2世と共に、敬虔主義の創始者であるフィリップ・シュペーナーから教育を受け、ストラスブール大学で学びました。その後、5年間のグランドツアーでフランス、オランダ、イングランド、スウェーデン、スイスを巡りました。

軍人としてのキャリア

ヨハン・カールはスウェーデン軍に仕官し、騎兵連隊長としてカール10世の下で対デンマーク戦争やハンガリーでの対トルコ戦争に従軍しました。その後、オランダ軍に移り、1674年のセネフの戦いに参加し、将軍の地位を得ました。軍務を離れた後は、兄から貸与された所領ゲルンハウゼンに戻り、居城を築いて暮らしました。

結婚と家族

1685年、ヨハン・カールは母方の叔父であるプファルツ＝ツヴァイブリュッケン＝フェルデンツ公フリードリヒの娘で従妹にあたるゾフィー・アマーリエと結婚しました。ゾフィーはホーエンローエ＝ヴァイカースハイム伯ジークフリートの未亡人でしたが、1人娘をもうけたのみで亡くなりました。

1696年、ヨハン・カールは下級貴族出身のエスター・マリア・フォン・ヴィッツレーベンと再婚しました。この貴賤結婚に対し、兄クリスティアン2世は相続協定を押し付け、ヨハン・カールとその息子たちのプファルツ選帝侯位の継承権を剥奪しました。しかし、ヨハン・カールは妻に帝国女伯の地位を確保し、相続協定を帳消しにしました。

ヨハン・カールの死後、未亡人となったエスターは、自身と息子たちの地位を正嫡と認めるよう帝国顧問官会議に訴え、1715年に彼女自身と子供たちがプファルツ系ヴィッテルスバッハ家の正統な成員としての権利を有すること、息子たちがプファルツ選帝侯位の継承権者の列に加えられることを認めさせました。

子女

最初の妻ゾフィー・アマーリエとの間には娘が1人いました。

マグダレーネ・ユリアーネ（1686年 - 1720年） - シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝プレーン公ヨアヒム・フリードリヒと結婚

2番目の妻エスター・マリアとの間には、3男2女の5人の子女がいました。妻と子供たちは1715年にプファルツ＝ゲルンハウゼン公爵の正嫡の妻子としての全面的な地位・権利を認められました。

フリードリヒ・ベルンハルト（1697年 - 1739年） - ゲルンハウゼン公
ヨハン（1698年 - 1780年） - ゲルンハウゼン公
シャルロッテ・カタリーナ（1699年 - 1785年） - ゾルムス＝ブラウンフェルス侯フリードリヒ・ヴィルヘルムと結婚
ヴィルヘルム（1701年 - 1760年） - ハプスブルク軍元帥
ゾフィー・マリー（1702年 - 1761年） - ロイス＝ゲーラ伯ハインリヒ25世と結婚

ヨハン・カールの生涯は、軍人としての活躍、貴賤結婚、そして子供たちの権利を守るための苦闘に満ちていました。彼の粘り強い努力が、後のバイエルン公爵家の繁栄に繋がったと言えるでしょう。

参考文献

Nathanael von Schlichtegroll: Genealogische lebens-skizzen der vorfahren des bayerischen königs-hauses bis auf Otto den Grossen von Wittelsbach, J. Rösl, 1842
Johann Samuel Ersch: Allgemeine Encyklopädie der Wissenschaften und Künste: in alphabetischer Folge. Section 2, H - N ; Theil 21, Johann (Infant von Castilien) - Johann-Boniten, Teil 2, Band 21, Gleditsch, 1842
* Maximilian V. Sattler: Lehrbuch der bayerischen Geschichte, Lindauer, 1868

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