ヨハン・ヨハンソン

ヨハン・ヨハンソン (Jóhann Jóhannsson)

ヨハン・ヨハンソン（1969年9月19日 - 2018年2月9日）は、アイスランドのレイキャヴィーク出身の作曲家、鍵盤楽器奏者でした。彼の音楽は、映画、テレビ、演劇など多岐にわたる分野で使用され、特に映画音楽の分野で国際的な評価を得ています。

経歴

1980年代後半から音楽活動を始め、様々なバンドでの活動を経て、映像作品への楽曲提供で才能を開花させました。1999年には、キラ・キラやヒルマー・イェンソンらと共に、レイキャヴィークのアーティスト集団兼レーベル「キッチン・モーターズ」を設立。同レーベル主催のコンサートのために、「アパラット・オルガン・カルテット」を結成し、オルガン音楽の新たな可能性を追求しました。

2002年には初のソロアルバム『エングラボルン』を発表し、高い評価を受けました。その後、2006年にイギリスのレーベル「Touch」から「4AD」へ移籍し、アルバム『IBM 1401, A User's Manual』をリリース。この作品は、初期のコンピュータであるIBM 1401の音をサンプリングし、オーケストラと融合させた革新的なものでした。

ヨハンソンの音楽は、映画音楽、コンテンポラリー・ダンス、演劇など、多様な分野で使用されました。初期にはパンク・ロックの影響も受けていましたが、次第にポストクラシカルやエレクトロニカの要素を取り入れた独自のスタイルを確立。マックス・リヒターと共に、ポストクラシカル音楽の代表的なアーティストとして認識されています。

2014年公開の映画『博士と彼女のセオリー』では作曲を担当し、第72回ゴールデングローブ賞作曲賞を受賞。この作品を機に、映画音楽作曲家としての地位を確立しました。

2018年2月9日、ベルリンのアパートで急逝。その後の検査により、薬物併用摂取による急性薬物中毒死であったとされています。2018年公開の映画『プーと大人になった僕』の音楽を手がける予定でしたが、彼の死によって実現しませんでした。

主な作品

フィルモグラフィ

ヨハン・ヨハンソンは、数多くの映画音楽を手がけました。彼の代表的な作品には、以下のようなものがあります。

『博士と彼女のセオリー』(The Theory of Everything)（2014年）
『メッセージ』(Arrival)（2016年）
『Sicario』(2015年)
『最後にして最初の人類』(Last and First Men) (2020年)

ディスコグラフィ

Englabörn (2002年)
Virðulegu Forsetar (2004年)
IBM 1401, A User's Manual (2006年)
Fordlandia (2008年)
And in the Endless Pause There Came the Sound of Bees (2009年)
End of Summer (2015年) - ヒドゥル・グドナドッティル、ロバート・アイキ・オーブリー・ロウとのコラボレーション
Orphée (2016年)
Gold Dust (2021年)
Drone Mass (2022年)

音楽的特徴

ヨハン・ヨハンソンの音楽は、ミニマルな要素、ストリングスやピアノの美しい旋律、そして電子音楽的なテクスチャが組み合わさった、独特のサウンドスケープが特徴です。彼の作品は、静謐でありながらも感情的な深さを持ち、聴く者の心に深く響きます。

関連項目

ヒドゥル・グドナドッティル

外部リンク

公式ウェブサイト
ヨハン・ヨハンソン - allcinema
ヨハン・ヨハンソン - KINENOTE
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