ヨークベニマル硬式野球部

ヨークベニマル硬式野球部

福島県郡山市を活動拠点としていた社会人野球チームに、ヨークベニマル硬式野球部があります。スーパーマーケットチェーンである株式会社ヨークベニマルを運営母体として1975年に発足し、日本野球連盟に加盟していました。約四半世紀にわたる活動の後、1999年をもってチームは解散しています。

チームの創設と歩み

1975年、福島県内に展開するスーパーマーケット、ヨークベニマルは、地域社会への貢献と社員の士気向上を目指し、硬式野球部を創部しました。チームはその名を冠し、「ヨークベニマル硬式野球部」として新たな一歩を踏み出します。創部からわずか5年後の1979年には、社会人野球の最高峰の一つである都市対抗野球大会に初めて出場する快挙を成し遂げました。さらに、1981年にはもう一つの全国大会、社会人野球日本選手権大会にも初出場を果たすなど、創部間もない時期からその実力を示しました。

全国舞台での活躍

ヨークベニマル硬式野球部は、特に都市対抗野球大会において存在感を示しました。通算で8回の本戦出場を果たし、地方予選を勝ち抜く常連チームへと成長しました。その中でも特筆すべきは、1987年と1994年の2度にわたり、ベスト8進出を果たしたことです。これは、東北地方の企業チームとしては際立った成績であり、全国の強豪チームとも互角に渡り合える実力を持っていたことを証明しています。また、社会人野球日本選手権大会にも通算4回出場しており、全国大会への出場はチームの大きな目標であり、その実力を測る指標でもありました。この他、東北地区の主要大会であるJABA東北大会でも、1986年と1990年に優勝するなど、地域における有力チームとしての地位を確立していました。

活動の終焉

しかし、チームの活動は永遠ではありませんでした。1998年11月、運営母体であるヨークベニマルは、本業であるスーパー事業への経営資源集中を理由として、野球部の活動を翌年の都市対抗野球大会終了後に停止することを発表しました。チームにとって、1999年の都市対抗野球はまさに最後の檜舞台となるはずでした。選手たちは有終の美を飾るべく、全国大会出場を目指しましたが、残念ながら東北2次予選で敗退。この大会での敗退をもって、ヨークベニマル硬式野球部は予定通り1999年に活動を停止し、約24年間のチームの歴史に幕を閉じました。

チームを彩った人々

ヨークベニマル硬式野球部からは、後にプロ野球選手となった選手も輩出されました。投手であった平松省二氏は、1995年のドラフト会議で日本ハムファイターズから指名を受けプロ入り。同じく投手だった村上真哉氏も、翌1996年に日本ハムからドラフト指名を受け、プロの舞台へと進みました。また、チームの指揮を執った小野寺克男氏（捕手として在籍）や、台湾プロ野球で活躍した郭進興氏（投手）、引退後に高校野球の指導者として手腕を振るった田村隆寿氏（捕手）、宗像忠典氏（投手）など、多くの人材がチームに在籍し、その歴史を彩りました。チームは解散しましたが、そこで培われた経験や野球への情熱は、OBたちのその後の活動に引き継がれています。

ヨークベニマル硬式野球部は、福島県郡山市に根ざした企業チームとして、社会人野球の舞台で確かな足跡を残しました。都市対抗での度重なる全国大会出場と、2度のベスト8進出は、今なお記憶に残る偉業と言えるでしょう。

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