ヨーク川

ヨーク川

ヨーク川（よーくかわ、英: York River）は、アメリカ合衆国バージニア州の東部を流れる長さ約40マイル（64 km）の船舶航行が可能な河川です。この川の幅は水源付近では約1マイル（1.6 km）、そしてその河口に近いチェサピーク湾の西岸では約2.5マイル（4 km）に達します。この川の流域には、バージニア州北部の海岸平原や州都であるリッチモンドの東方に広がる17の郡が含まれています。

ヨーク川自体は、その歴史的背景からアメリカ合衆国における重要な地理的特徴であり、特にバージニア植民地が形成される時期に初期の開拓地がこの流域に存在し、またアメリカ独立戦争や南北戦争でも重要な役割を果たしました。

流域

ヨーク川の水源はリッチモンドの東約41マイル（64 km）地点にあり、ウェストポイントに位置するところで、マタポニ川およびパマンキー川が合流する地点です。パマンキー川には、南アンナ川が流れ込んでおり、これらの川を合わせると、総延長は約214マイル（340 km）に達します。ヨーク川は南東に流れ、最終的にヨークタウンから約5マイル（8 km）地点でチェサピーク湾に注いでいます。また、ヨークタウンとグロスターポイントを結ぶアメリカ国道17号線が、ジョージ・P・コールマン記念橋によって川を渡っています。

歴史

バージニア半島はヨーク川と南のジェームズ川に挟まれており、1781年のアメリカ独立戦争の最終局面で大きな舞台となりました。この地域では、チャールズ・コーンウォリス将軍が指揮するイギリス軍がヨークタウンを守っていましたが、ジョージ・ワシントン将軍の部隊とフランス艦隊によって包囲され、その結果としてコーンウォリスは降伏せざるを得なくなりました。この勝利により、アメリカ独立戦争は新たな局面を迎えました。また、南北戦争の際には、この地域が戦闘の一部として重要視されています。

かつてこの川は、先住民族によってパマンキー川と呼ばれていました。17世紀において、バージニア会社の植民者たちは最初にこの川をチャールズ川と名付けました。川の北岸、現在のバージニア州ミドル半島のグロスター郡では、ポウハタン連邦の酋長ワフンスナコックがウェロウォコモコという名の連邦の中心地の一つを治めていました。

現代のヨーク川

今日、ヨーク川州立公園は、ジェームズシティ郡のヨークタウン北西部に位置し、川の南岸に広がる自然豊かなエリアです。また、南岸にはキャンプ・ピアリーやアメリカ海軍のヨークタウン海軍武器基地などの重要な軍事施設が存在し、さらには渡り鳥にとって重要な生息環境を提供する湿地や森林が広がる広大な自然保護区域もあります。また、アメリカ合衆国国立公園局のコロニアル・パークウェイは、ウィリアムズバーグとヨークタウンの間を結ぶ美しいドライブ道路として利用されており、訪れる人々に景観の素晴らしさを提供しています。

河口部は1987年にはラムサール条約に基づく登録地となり、保護の対象となる生態系としての価値が認められています。

渡河

ヨーク川を横断する唯一の自動車道路として、跳ね上げ構造のジョージ・P・コールマン記念橋があります。この橋はヨークタウンとグロスターポイントを結び、アメリカ国道17号線が通っています。最近、改修され、拡張されたこの橋は有料で、北行きの通行車両に対して1台あたり2ドルの通行料が課金されています。また、この橋周辺はハヤブサの営巣を促進する特別なプログラムの場ともなっています。

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