バージニア会社

バージニア会社について

バージニア会社は、北アメリカの植民地建設を望むイングランドのジョイント・ストック・カンパニーであり、1606年にジェームズ1世からの勅許に基づいて設立されました。この会社は、2つの異なる会社に分かれて運営されていました。「ロンドンのバージニア会社」と「プリマスのバージニア会社」がそれに該当しますが、同じ勅許の下で異なる地域を担当していました。ただし、ある部分では両者の領域が重なることもあったため、互いに100マイル（約160 km）以内に近寄って植民地を作ることは認められていませんでした。

プリマス会社は北緯38度から45度の範囲で植民地を築くことが許可されており、その結果、1607年にはメイン州のケネベック川沿いにポパム植民地を設立しました。しかし、この殖民地は短期間で放棄され、会社は活動を停止しました。その後、マーチャント・アドベンチャラーズが事業を引き継ぎ、1700年代初頭に宗教的理由から新天地を求めてイギリスからアメリカに渡ったピルグリム・ファーザーズによって現在のニューイングランドに恒久的なプリマス植民地が設立されます。

一方、ロンドン会社は北緯34度から41度の区域において植民地を開発することが許され、広大な大西洋とカナダ内陸部を所有する権利を持っていました。1607年、彼らはバージニア州のチェサピーク湾に流れ込むジェームズ川の近くに、約40マイル内陸にあるジェームズタウンを建設しました。しかし、この開拓地は設立当初から困難な状況にあり、食糧不足やインディアンとの摩擦などが大きな課題でした。

特に、ジョン・スミス船長がロンドン会社の委員長として地元インディアンからの食料調達を行う一方、インディアンの村を襲って食糧を強奪する事態が発生し、これが両者の関係悪化を招く一因となりました。ロンドン会社は1609年に新しい勅許を受け、その過程でプリマス会社の領域も加えられます。また、同年には大規模な補給任務が行われ、シーベンチャー号がその中心的な役割を果たしましたが、暴風に見舞われ、サマーズ諸島と呼ばれる現在のバミューダ諸島に不時着する結果となります。

1610年には、ジェームズタウンに到着した時の植民者の大多数が食糧不足により死亡しており、生存者は次の補給隊の到着を待たなければなりませんでした。ロンドン会社は1612年にその王室勅許を拡大し、サマーズ諸島をバージニアの一部に含めることに成功しますが、1615年には別会社に譲渡されることになりました。

投資家たちはバージニアでの金や銀の発見に失望しますが、代わりにジョン・ロルフによってカリブ海から導入されたタバコが重要な換金作物となり、経済活動に新たな道を開きました。しかし、1622年にはインディアンによる「ジェームズタウンの虐殺」が発生し、これがイングランド国内での議論を引き起こし、王室による干渉が強まる結果となります。最終的に1624年、国王によって会社は解散させられ、バージニア王室領植民地が設立されることとなりました。

このように、バージニア会社は植民地化の歴史に重要な影響を与えつつ、多様な文化や人々の交流が進展する舞台となりました。

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