ライアン・バクター

ライアン・バクター：変遷に富んだキャリアを歩んだ左腕リリーバー

ライアン・ジェームズ・バクター（Ryan James Buchter）は、1987年2月13日生まれ、アメリカ合衆国ペンシルベニア州レディング出身の元プロ野球選手です。左投左打の投手として、MLB（メジャーリーグベースボール）で複数の球団に所属しました。愛称は「ブック（Book）」。

プロ入りと下積み時代

2005年のMLBドラフトで、ワシントン・ナショナルズから33巡目（全体984位）で指名されプロ入り。ルーキー級から着実にステップアップを図ります。

2006年：ガルフ・コーストリーグ・ナショナルズでプロデビュー
2007年：A-級バーモント・レイクモンスターズ
* 2008年：ルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ナショナルズとA級ヘイガーズタウン・サンズ

2008年11月には、マット・エイブリーとのトレードでシカゴ・カブスへ移籍。2009年にはA級ピオリア・チーフスで好成績を残し、才能の片鱗を見せました。その後もAA級テネシー・スモーキーズなどで経験を積みます。

ブレーブス、そしてメジャーデビュー

2011年5月、ロドリゴ・ロペスとのトレードでアトランタ・ブレーブスへ移籍。AAA級グウィネット・ブレーブスで好投を続け、2013年オフにメジャー契約を結び、ついに40人枠入りを果たします。

2014年、メジャーの開幕ロースター入り。6月20日のナショナルズ戦でメジャーデビューを果たし、1回を無失点に抑え初登板初勝利を記録しました。しかし、その後は再び降格。同年オフにFAとなります。

苦難の時期とパドレスでの飛躍

2015年はドジャースとカブスでマイナー契約を結びますが、メジャー昇格は叶わず。しかし、2015年12月、サンディエゴ・パドレスとマイナー契約。2016年にメジャー契約を結び、開幕から左の中継ぎとしてメジャーに定着。67試合に登板し、防御率2.86と安定した成績を残しました。

ロイヤルズ、アスレチックスでの活躍

2017年7月、トレードでカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍。2球団合計で71試合に登板し、防御率2.89をマーク。2018年にはオークランド・アスレチックスへ移籍し、リリーフとしてチームに貢献しました。

エンゼルス、ヤンキース、ダイヤモンドバックス

2020年、ロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約を結び、メジャー契約も果たしますが、シーズン中にFAとなります。その後、ニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約。2021年にはアリゾナ・ダイヤモンドバックスでメジャー契約を結びましたが、再びマイナー契約となり、FAとなりました。

マリナーズと現役引退

2022年3月、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結びましたが、間もなく自由契約となり、現役を引退しました。

コーチとしての新たな挑戦

2023年からは、フィラデルフィア・フィリーズ傘下AAA級リーハイバレー・アイアンピッグスの投手コーチ補佐に就任。指導者として、新たなキャリアをスタートさせています。

ライアン・バクターは、MLBで長く活躍したリリーフ投手として記憶されています。持ち前の実直な性格で多くのチームに貢献し、ファンに愛されました。今後はコーチとして、次世代の育成に力を注ぐことが期待されています。

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