ライアン・フィッツパトリック

ライアン・フィッツパトリック：ハーバード卒異色のジャーニーマンQB

ライアン・ジョセフ・フィッツパトリック（Ryan Joseph Fitzpatrick）は、1982年11月24日生まれ、アメリカ合衆国アリゾナ州ギルバート出身の元アメリカンフットボール選手。NFLのクォーターバック（QB）として活躍し、その異色の経歴から多くのファンに愛された。

ハーバード大学での成功

フィッツパトリックは名門ハーバード大学で経済学を専攻。2001年と2002年は控えQBだったものの、2003年には先発QBの座を獲得。卓越したリーダーシップでチームを牽引した。2004年には1986パスヤード、13タッチダウンを記録し、チームを全勝優勝に導き、アイビー・リーグ最優秀選手に輝いている。ハーバード大学史上初の1000ヤードラッシングを記録したクォーターバックとなった。

NFLでのキャリア

2005年のNFLドラフトでセントルイス・ラムズから7巡目全体250位で指名を受け、NFL入りを果たす。ラムズでは出場機会に恵まれなかったものの、シンシナティ・ベンガルズへ移籍後、徐々に頭角を現す。その後はバッファロー・ビルズ、テネシー・タイタンズ、ヒューストン・テキサンズ、ニューヨーク・ジェッツ、タンパベイ・バッカニアーズ、マイアミ・ドルフィンズ、ワシントン・フットボールチームと、数多くのチームを渡り歩き、ジャーニーマンQBとしての地位を確立した。

ジャーニーマンとしての軌跡

フィッツパトリックのNFLキャリアは、まさに波乱万丈だった。どのチームでもエースQBとして確固たる地位を築くことはできなかったが、持ち前の интеллектと高い対応力で、様々なチームで活躍。特に、バッファロー・ビルズ時代には、98ヤードのタッチダウンパスを成功させるなど、記憶に残るプレーを数多く披露した。

2018年にはタンパベイ・バッカニアーズで、NFL史上初の3試合連続400ヤード以上のパスを記録するという偉業を達成。その実力を改めて証明した。

引退

2021年にはワシントン・フットボールチームと契約するも、股関節の負傷により1試合のみの出場となり、2022年6月2日に引退を発表した。8つの異なるチームでタッチダウンパスを投げた唯一のクォーターバックである。

プレースタイルと人物像

フィッツパトリックは、頭脳的なプレーと予測不能なプレースタイルが特徴。状況判断に優れ、ランニング能力も高く、相手ディフェンスを翻弄する。また、明るくユーモアのある人柄で、チームメイトやファンから愛された。

NFL通算成績

パス試投：5,057回
パス成功：3,120回
パス成功率：61.7%
獲得ヤード：34,991ヤード
タッチダウン：223回
インターセプト：169回
* QBレイティング：82.3

まとめ

ライアン・フィッツパトリックは、スター選手とは言えないものの、その個性的なプレースタイルと人間性で、多くのファンを魅了した。彼のNFLでの活躍は、ジャーニーマンQBの代表的な成功例として、長く語り継がれるだろう。

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